抄録
【はじめに】日常よく動作観察の記録方法ににデジタルビデオカメラは手軽に用いる事ができる。近年この映像をパーソナルコンピュターを使用し、ビデオ解析ソフトNIH imageにて分析、発表している文献を見かける。このソフトでは距離に関してはキャリブレーションで誤差を少なくし求める事ができる。しかし、角度に関してはこのソフト内にキャリブレーションがなく、どの程度の誤差が生じるのかわからないのが現状である。今回、NIH imageの角度誤差の検討を目的に分析を行い、若干の結論を得たので報告する。【対象及び方法】デジタルビデオカメラ(Sony社製 DCR- PC3)にてプラスチックゴニオメーター(以下 ゴニオ)を撮影した。45°に設定したゴニオを測定面上の対角線に5本貼付した。中心点から上下左右に4等分割した場合の右上1/4画面を分析対象とした。撮影位置は画面中心から放射状に0°、10°、20°、30°、40°の直線を引き、その線上に50cm、100cm、150cmのポイントで実施した。撮影した映像をパーソナルコンピュターに取り込み、NIH imageにて角度を3回測定した。また同心円状の0°の三つのポイント(撮影点)に関しては撮影画面を64分割し、その1/4の面積も3回測定した。【結果】放射状の角度0°の場合、距離50cmでは平均1.67°100cmでは平均1.93°150cmでは平均2.24°の誤差であった。角度20°の場合、距離50cmでは平均3.63°100cmでは平均4.9°150cmでは平均5.82°の誤差であった。角度40°の場合、距離50cmでは平均5°100cmでは平均6.95°150cmでは平均7.9°の誤差であった。また0°にて撮影画面を64分割した結果、画面中心からの面積は全画面の約6%、約25%、約57%になった。その領域内の誤差は三つの撮影点を通し、それぞれ約1°、約2°、約5°の誤差であった。【考察】上記の結果から測定する場合は測定対象をいかに前額面でのずれを少なく撮影するかが必要になると考えた。また画面中心に測定対象が写るようにカメラを設定し、対象物との距離を近付ける必要があった。さらに測定対象とする動作の動きを考え、前額面での動く角度を考慮し誤差をふまえ、測定結果を検討していく必要があると考えた。以上の上述したことから、NIH imageにてビデオ画像の角度測定する場合、画面中前後に移動する歩行等の解析には誤差が大きく、使用には向いていないと考えた。また画面から左右の移動または静止画面を測定する場合でも、画面中心付近で角度を測定し、誤差を考慮することが望ましいと考えた。【まとめ】_丸1_測定対象の前額面での動きを少なく撮影する。_丸2_測定対象を画面中心に配置し、撮影距離を近付ける。_丸3_測定対象の動きを考え、前額面上の動く角度を考慮し誤差を考慮する。