理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: NP632
会議情報

測定・評価
新しい等速性筋力評価訓練器による膝関節伸展・屈曲筋力評価
Isoforce GT-380と CYBEX 6000 の比較
*有木 隆太郎岡田 育子松尾 高行松橋 淳河村 顕治
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
【目的】筋力評価として一般的に用いられている等速性筋力評価訓練器での評価は、臨床現場において操作の複雑性や計測時間の問題等により有効利用されていない場合が多い。そこで、今回我々は、膝関節に特化して計測設定を簡便化した Isoforce GT-380 ( オージー技研 ) について、従来から用いられており信頼性が高い CYBEX 6000 との性能比較を行った。操作性、再現性及び2機種間の測定値の相関を検討するために、健常若年者の等速性膝関節屈伸運動の計測を行った。【対象及び方法】対象は、健常若年成人男性 50 名 ( 22.0 ± 2.0 歳 ) である。測定には、CYBEX と GT-380 を用いた。等速性膝関節伸展・屈曲運動の測定角速度は60、120、180、240 deg / sec とし最大努力で3回行った。さらに、膝関節屈曲 60 度での等尺性膝伸展及び屈曲運動を各3回行った。被験者10名については日を隔てて同じ計測を行い再現性の検討を行った。統計処理は、再現性は級内相関係数 ( ICC ) 、機器間の測定値の比較はピアソンの相関係数と Bland-Altman 法を用いた。【結果】CYBEX と GT-380 のピークトルク値は、60 deg / sec の膝伸展で、r = 0.88 屈曲で r = 0.81 と有意 ( p < 0.01 ) な相関を示した。同じく 120 deg / sec の伸展で r = 0.83、屈曲で r = 0.76、180 deg / sec の伸展 r =0.80 、屈曲 r =0.72 、240 deg / sec の伸展 r = 0.84、屈曲 r = 0.67 であった。また、等尺性膝関節伸展運動で r = 0.83、屈曲で r = 0.79であり有意 ( p < 0.001 ) な相関関係を示した。データの一致度を示す Bland-Altman 法による検討を行うと、2つの測定間には各設定速度において、CYBEXで求められたピークトルク値に対して、 GT-380 では系統誤差が約 10 Nm 認められた。また、両機器とも筋力の再現性は優れていた。操作性については GT-380 が簡便で優れていた。【考察】ピークトルク値の比較では、両機種間に高い相関関係を認めた。機種間にみられたピークトルク値の系統誤差は、身体の固定方法やシンパッドの形状および素材などによるものと考えられる。また、角速度が増すにつれ相関係数が低くなっており、課題遂行速度による被験者側の筋力発揮の影響も示唆された。両機種間のピークトルク値について厳密な意味でデータの互換性はないと考える。しかし、データの再現性、操作性ではGT-380は CYBEXと同等あるいはそれ以上と評価できる。GT-380での計測は、機器操作の簡便化と計測時間の短縮により臨床現場での実用性が高いと考える。
著者関連情報
© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top