理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: OP742
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物理療法
遅発性筋痛を用いた筋痛モデルに対する超音波療法の効果
圧痛閾値と筋硬度の観点から
*松岡 彩子吉田 俊之川口 浩太郎大成 浄志
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抄録
【目的】超音波療法は主に関節周囲炎や筋膜炎などの疼痛軽減を目的として使われている.骨格筋に対する超音波療法の効果に関する報告は多くあるが,疼痛軽減効果は十分に実証されていない.また超音波の効果としてこれまで軟部組織の伸展性の変化に関する報告はあるが,筋硬結などの硬度という観点から筋の柔軟性を客観的なデータで捉えた報告はない.そこで今回,遅発性筋痛を用いた筋痛モデルに対する超音波療法の効果について,疼痛と筋硬度という観点から検討を行った.【対象および方法】対象は下肢に既往のない男子学生10名(US群),対照群10名(sham-US群)とした.圧痛閾値はFisher’s algometry,筋硬度はVenustron(AXIOM)を用いて測定し,得られた圧痛閾値および筋硬度は変化率で表した.前脛骨筋筋腹の圧痛点を測定部位とし,筋痛モデル作成運動(以下Ex)として遠心性収縮運動を行い,Ex前後に測定を行った.Ex終了より二日後の遅発性筋痛が出現した状態で再度測定を行った.ITO US-700(伊藤超短波)を用いてUS群に対して出力が周波数1MHz,強度1W/cm,照射率30%の間欠照射を行った.sham-US群に対しては出力を行わなかった.本研究は二重盲検法を用い,測定終了まで検査者と被験者は被験者がどちらの群に属するか判断できないように考慮した.方法として,両群に対しcoupling剤を塗布し,測定部位を中心に半径15mmの範囲でプローブ(半径12mm)を回転法にて15mm/secの速度で10分間動かし,その後測定を行った。統計処理は,Ex前から照射前まで,および照射後までをニ元配置分散分析を用いて群間比較を行った.交互作用が認められなかった場合,各群内の各条件における比較には一元配置分散分析を用い,有意差を認めた後,多重比較検定を行った.尚,有意水準は危険率p < 0.05とした.【結果および考察】圧痛閾値および筋硬度において,Ex前より照射後までのみ群間に有意差が認められた.また超音波照射後,超音波照射前に対し圧痛閾値はUS群で有意に上昇し,筋硬度はUS群で有意な低下が認められた.出力のないsham-US群では圧痛閾値および筋硬度に有意な変化は認められなかった.したがって30%の間欠照射による非温熱作用においても疼痛軽減の効果があることが示唆された.また超音波照射による筋硬度低下は,非温熱作用であるマイクロマッサージ効果による軟部組織構造の変化の結果であると考える.
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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