抄録
【はじめに】われわれの通所リハビリテーション(以下当通所リハ)内でのサービスは、リハビリテーション(以下リハビリ)を中心に医学的管理と介護を行っている。 今回、当通所リハが利用者本人や家族・介護者から求められているニードの把握を行い、今後のサービス提供の指標を得る目的でアンケート調査を実施した。【対象と方法】当通所リハの利用者78人(男性50名、女性28名、以下利用者)とその介護者(以下介護者)を対象にした。
また、日頃の業務で利用者との関わりの中から考えられるニードについて我々が独自に作成した当通所リハに関するニードに対するアンケート用紙を手渡しにて配布した。 調査期間は、平成14年5月23日から31日までの8日間とした。回収されたアンケート用紙は62部であり、回収率は79.5%であった。【結果及び考察】「通所リハセンターに期待すること」の第1位が「リハビリ」で利用者34件 (27%)、介護者43件(29%)と全体の3割程度は、リハビリに対するニードが高かった。 利用者が「リハビリに期待すること」については、心身機能・身体構造の項目については、「手を動かす」と「足を動かす」が12件(24%)と第1位であり、次に「とにかく運動をしたい」が11件(22%)、「痛みをとる」が10件(20%)であった。活動・参加の項目については、「倒れないように歩く」が9件(21%)、「じょうずに歩く」が8件(19%)、「立ち上がり動作の改善」が7件(18%)、「立位保持の改善」が5件(11%)であった。このことから、心身機能・身体構造に関するニードが高いことがわかった。また、介護者が「リハビリに期待すること」については、心身機能・身体構造の項目については、「足を動かす」が17件(31%)、第2位が「手を動かす」で13件(23%)、第3位が「自宅でのリハビリ方法」で10件(18%)であった。活動・参加の項目については、「倒れないように歩く」が15件(23%)、次に「話すことの改善」が10件(16%)、「立ち上がり動作の改善」が9件(14%)であった。このことから、介護者は利用者に比べ、在宅での日常介護の軽減につながるような活動・参加に関わるニードが多く、今後の対応として、利用者と介護者のニードの格差を埋めつつ、在宅での自立支援へつながるサービスの提供を試みたい。【まとめ】1.当通所リハに利用者本人や家族・介護者から求められているニードの把握を行う目的でアンケート調査を実施した。 2.利用者・介護者とも通所リハセンターに期待することに関して、全体の3割程度はリハビリに対するニードが高く、利用者は心身機能・身体構造、介護者は活動・参加に関わるニードがそれぞれ高かった。 3.両者のニードの格差を埋めつつ、在宅での自立支援へつながるサービス提供の指標が得られた。