理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: PP168
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地域リハビリテーション
通所リハビリテーション利用者の居宅訪問の必要性について
介護負担の観点より
*三谷 健小松 泰喜上内 哲男田中 尚喜田村 邦彦富樫 早美
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抄録
[目的]通所リハビリテーション(以下通所リハ)利用者に対しての訓練は、機能的理学療法に偏りがちであり、自宅でのADL、介護負担まで念頭においたフォローができていないのが現状である。介護老人保健施設には、通所リハ居宅加算が算定でき、1人につき月1回は居宅訪問が可能である。居宅訪問を実施することにより、「自宅でのADL向上と介護者の介護負担軽減」が可能かどうかについて、介護者の介護負担に注目し、居宅訪問の必要性を検討したので報告する。[対象]介護老人保健施設での通所リハ利用者18名(男性14名、平均年齢66.8歳、女性4名、平均年齢76.8歳)と主介護者18名(男性2名、平均年齢67.5歳、女性16名、平均年齢55.3歳)である。通所リハ利用者の疾患名は脳血管障害15名、パーキンソン病1名、後縦靭帯骨化症1名、脊髄損傷1名。介護度は介護度1・4名、2・5名、3・4名、4・4名、5・1名。主介護者の続柄は、妻9名、娘7名、夫2名である。[方法]通所リハ利用者の自宅ADLをFIMにて評価を行い、主介護者に対してZarit介護負担尺度日本語版(以下Zarit)、介護負担の有無、介護負担理由、負担介助動作について自記式質問紙法にて調査を行った。統計処理はSpearmanの順位相関係数、Mann-WhitneyのU検定を用い検討を行った。[結果]ZaritとFIM運動項目の、排泄(r=-0.59 p<0.05) 、移乗・移動(r=-0.57 p<0.05)に相関が認められた。18名中15名(83%)が介護負担を認め、介護負担理由は、身体的負担8名(53%)、精神的負担7名(47%)、経済的負担0名であった。身体的負担を理由とした者では負担介助動作として移乗・移動5名、清拭2名、トイレ動作1名であった。介護負担理由とZarit、FIM各運動項目では、身体的負担を理由とした者においてZaritの点数が有意に高く、移乗・移動の点数が有意に低かった(p<0.05)。[考察]今回の結果から移乗・移動動作能力低下により介護負担感は強くなり、身体的負担が大きくなることがわかった。介護負担は痴呆の有無、介護期間、サービス利用の有無などさまざまな要因が報告されているが解決法まで検討している報告は少ない。身体的負担に関しては、介護指導、環境整備、利用者の自宅ADL向上により、介護負担軽減が可能であると推察されることから通所リハ利用者の居宅訪問により、理学療法士による指導・評価を積極的に行なう必要がある。また、診療報酬改定により、病院での入院期間は短縮し、理学療法・家族指導が不十分なまま在宅に戻ることも予測されるため、さらに通所リハの重要性が示唆された。今後は、介護者の身体的負担の問題を明らかにし、介護負担、ADLに対してアプローチを行い居宅訪問の効果を検討していきたい。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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