理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: PP259
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地域リハビリテーション
福祉用具等に関する研修会を実施して
*竹野 留美
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抄録
【はじめに】当施設の福祉機器展示室では、福祉用具や住宅改修についての研修会や展示会を啓発活動の一環として開催してきた。今回は、研修会に参加した介護支援専門員等における福祉用具や住宅改修についての現状を、調査し考察したので報告する。【方法】平成13年度、14年度に実施した5回の研修会のうち、介護保険課と合同で開催した1回を除いた4回の研修会時に行ったアンケート等を基に傾向を分析した。【結果】研修会の内容は、(1)車いすについて、(2)入浴関連用具と住宅改修、(3)福祉用具の活用、(4)歩行支援用具の選択方法で、申込者はのべ88名だった。当日の参加者は61名だった。申し込み職種は、複数回答で介護支援専門員40名、福祉用具専門相談員16名、看護師20名、介護福祉士16名、社会福祉士4名、ケースワーカー4名、ヘルパー7名、福祉住環境コーディネーター2名であり、介護支援専門員と看護師の資格を持つ人が最も多かった。福祉用具等の相談経験年数は、6ヶ月未満22名(経験なし8名含む)、1年以内19名、1年半以内15名、2年以内11名、3年以内12名、3年以上が5名、記載なし4名であった。6ヶ月以上3年以内が最も多く、介護保険導入以後にこの業務に携わった人が63名で71%であった。 アンケートは50名より回収した(回収率81.1%)。男14名、女32名、無回答4名だった。年代は、20代7名、30代10名、40代11名、50代8名、60代以上5名、無回答9名だった。福祉用具の相談で困っているものは、歩行支援用具、入浴補助用具、住宅改修、車いすであった。困った時の相談相手としては、福祉用具販売業者がトップで28名、以下、病院スタッフ、メーカー、支援センター、高齢者福祉課、介護保険課であった。研修会希望内容は、(1)褥創予防用具、(2)住宅改修、(3)ベッド、(4)排泄用品の順に希望が高かった。また、展示室に期待するものは、PT同行訪問による指導が一番で、次に相談業務や用具の貸出だった。【考察とまとめ】対象者は初心者が多く、年代も高い。用具の名称は知っていても種類を知らなかったり、実際には見たことも触ったこともないことが多い。カタログだけで選んだり、業者まかせにしてしまう傾向がある。研修会を行い感じることは、福祉用具の選択に自信のなさがうかがえる。介護支援専門員の仕事は多種雑多であり、福祉用具や住宅改修のようにある程度、専門的な知識を要する分野は不得手である。身体機能評価ができ、用具との適合ができる職種としてPTは期待されているのがわかる。 展示室の役割の一つとして、間接的支援(関係者への支援を行うことで住民に反映する)があり、その点では研修会はその役割の一端を担っている。ネットワークの一つとして、また、PTの役割として福祉用具や住宅改修のアドバイスを行っていく必要がある。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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