理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: QO483
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調査・統計
当院大腿骨頚部骨折患者のクリニカルパスにおける検討
*津野 良一元吉 明細川 美鈴谷岡 博人浜窪 隆市川 徳和
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抄録
【はじめに】人口の高齢化による医療費の高騰等のため,在院日数の短縮化,医療費の均一化と効率化を目的に理学療法の現場においてもクリニカルパスが導入されるようになってきており,当院においても,平成12年度より大腿骨頚部骨折に対して導入したパスにそって理学療法を施行してきた。今回,パス運用前後の在院日数,および退院先との関係,退院時歩行機能,退院先の変化を比較し問題点について検討した。【対象および方法】対象は,平成5年1月から平成11年12月までのパス運用前に理学療法を施行した患者193名(男性39名,女性154名),頚部骨折50名,転子部骨折143名,平均年令81.4±9.7歳と平成12年1月から平成13年12月までのパス運用患者96名(男性16名,女性80名),頚部骨折22名,転子部骨折74名,平均年令83.4±8.4歳で情報は,病棟カルテおよび理学療法記録より収集しχ2検定,T検定にて比較検討した。【結果】在院日数は,パス運用前50.4±40.7日,パス運用患者29.2±12.8日と有意にパス運用後に減少が認められた。受傷前に自宅で生活していた患者の退院先の比較では,パス運用前患者(142名)で自宅99名(69.7%),施設19名(13.4%),転院24名(16.9%),パス運用患者(66名)で自宅27名(40.9%),施設6名(9.1%),転院33名(50%)で,パス運用後に自宅退院が減少し転院が増加していた。受傷前まで機能が回復した患者(機能回復率)は,パス運用前で58.5%,パス運用患者で52.1%でパス運用患者で機能回復率が減少した。【考察】今回の結果から,パス運用後,有意な在院日数が減少した要因は,入院時からの歩行機能を含めたADL評価,家族の支援体制の確認を行い具体的な退院設定や転院先の設定が明確に行われたためと思われるが,反面自宅への退院患者の減少と転院患者増大,および退院時の機能回復率の減少が今後の問題転と思われる。当院では平成13年度より高知県東部保険医療圏での継続的医療と福祉を目的とした地域連携室を設置し地域への受け入れ体勢の充実をはかるようになっており,上記の問題点も老健施設,住宅介護支援センター,訪問看護ステーション等の活用を視野に入れた協力体制を充実させ改善させていく必要があると思われる。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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