抄録
【目的】当院は平成13年4月に回復期リハビリテーション病棟(以下回復期リハ病棟)51床,平成14年6月に50床,計101床を開設した。当院における回復期リハ病棟導入前後でのリハ効果について比較調査を行った。
【対象】初回発症の脳卒中片麻痺患者で,くも膜下,脳幹部,小脳出血は除く回復期リハ病棟対象者。なお発症前のADLは自立しており訓練開始時は自立していない者とした。回復期リハ病棟導入前群は平成12年4月から平成13年3月までに入院した38名(男性19名,女性19名)平均年齢71.7±11.4歳とした。回復期リハ病棟導入後群は平成13年4月から平成14年10月までに回復期リハ病棟に入院した86名(男性49名,女性37名)71.4±11.2歳とした。
【方法】導入前後群における1)発症から入院までの平均期間,2)平均在院日数,3)ADLをBarthel Index(以下B.I.),4)運動機能をBrunnstrom Stage(以下Br.stage),5)転帰を自宅,療養型,老健,急性期病院への転院の4つに分類し比較した。また6)移動レベルを屋外歩行,屋内歩行,平行棒内歩行,車椅子自立,ベッド臥床の5群に分類し導入前後での入退院時の変化を比較した。
【結果・考察】導入前群の発症から入院までの期間は33.5日,在院日数は109.7日,導入後群の発症から入院までの期間は28.2日,在院日数は109.8日と差はみられなかった。B.I.においても導入前後での差は認められなかった。転帰については導入前が自宅57.9%,療養型8.9%,老健13.6%,急性期病院0%で,導入後が自宅54.7%,療養型27.9%,老健5.8%,急性期病院11.6%であり,自宅退院率は導入前後で変わらなかった。しかし急性期病院への転院率に差を認めた。当院の属する地域においては病病診連携により,発症間もない症例も積極的に受け入れている。そのため再発や合併症が起こる事も多く,導入後の全身状態が不安定であったことが考えられる。退院時移動能力の変化については,屋外歩行が導入前28.9%,導入後36.0%,同様に,屋内歩行18.4%と19.8%,平行棒内歩行21.1%と11.6%,車椅子26.3%と11.6%,ベッド臥床5.3%と20.9%であった。導入後でベッド臥床が増えたように思われるが,入院時の移動能力をみると28.9%と51.2%で圧倒的にベッド臥床者が多く,効果がなかったとは一概にはいえない。事実Br.stageにおいては導入前の下肢stageが重症傾向にあった。退院時屋外歩行では28.9%と36.0%となっており,これはリハ効果と考える。問題点としてはベッド臥床の重症例で,ほとんど改善がみられなかったケースが約20%存在しており,今後は更なる専門的,集中的リハの提供と在院日数の短縮化を図ることが重要と考える。