抄録
【目的】我々は、臨床実習教育に際し学内教育と臨床教育は一貫していると認識し、昨年の本学会で、養成校,実習施設の実習体制の相互把握について、養成校教員に対し意識調査を実施した。今回は臨床実習指導者に対し意識調査を実施したので報告する。【対象と方法】当院で2001年度に総合臨床実習を受け入れている養成校から任意に3校を抽出、関東地区の総合臨床実習施設110施設の理学療法部門責任者110名のうち、回答が得られた40名(回答率36.4_%_)を対象とした。年齢38.6歳、男性31名,女性9名、臨床経験年数14年であった。郵送法によるアンケート調査を実施し、2002年2月に配布、同年4月に回収。アンケート内容は_丸1_実習受け入れ状況_丸2_養成校側と実習施設側の実習体制の相互把握についてである。解析方法は内容分析と比率分析を行った。対象者には本発表の主旨を説明し同意を得て調査を実施した。【結果】_丸1_実習受け入れ状況:過去5年間の実習受け入れ状況は、82.5_%_が養成校数が増加、85_%_が実習生が増加していた。現在の臨床実習の受け入れ状況に関して52.5_%_が過剰,42.5_%_が適当との回答であった。_丸2_養成校側と実習施設側の実習体制の相互把握:1、養成校側が実習施設側の実習体制を把握すること:77.5_%_が必要との回答であった。理由として、施設によって様々な点が違う,実習事前指導の資料,実習教育もカリキュラムなので施設の実習内容を知る必要があるなどであった。養成校側は貴院の実習体制を把握しているかの問いでは27.3_%_とわずかであった。方法として、実習指導者会議,電話連絡,実習地訪問などがあげられていた。2、実習施設側が養成校側の実習体制を把握すること:一方、実習施設側による養成校側の実習体制の把握については、92.5_%_が必要との回答であり、理由として養成校の要求レベル・カリキュラムが違うからなどがあげられていた。養成校側の実習体制を把握できているかの問いでは、63.9_%_ができているとの回答であった。理由として、資料・実習指導者会議などで確認しているが主であった。把握の方法として、実習指導者会議への出席,実習指導者会議での資料、電話連絡、実習生からの情報などであった。【考察】臨床実習指導者に対して、臨床実習教育における養成校,実習施設の実習体制の相互把握について意識調査を実施した。実習受け入れ状況では増加傾向にあり、昨今の養成校増加の影響が反映された結果となった。相互把握について、80~90_%_が必要性があるとの認識であったが、養成校側が実習施設側の実習体制を把握していると感じている者は30_%_に留まっていた。これらの結果は相互が双方向ではなく、一方通行に陥る可能性があることが示唆される。今回明らかになったこのギャップを埋めていく必要があると考えられた。【謝辞】調査に御協力頂きました皆様に感謝致します。