抄録
【はじめに】前回の学術大会では,学生が考えている就職先選択の基準について報告した。今回,臨床実習1期終了時に考えていた基準と実際の就職先決定の基準に違いがあったのか,また在校生に関しては1年前に比べ変化があったのか否かについて,アンケート調査を実施したので報告する。【対象】2002年に本校を卒業した4期生93名(理学療法学科50名・作業療法学科43名),臨床実習1期を終えた4年生89名(理学療法学科46名・作業療法学科43名),本格的な実習経験のない3年生78名(理学療法学科学生42名・作業療法学科学生36名)を対象とした。4期生には郵送でアンケートを依頼し,新理学療法士34名(回収率68%)・新作業療法士28名(回収率65%)から回答を得た。【方法】提示された選択基準に優先順位をつけ,1位から5位まで記入してもらった(アンケートは無記名回答)。選択基準は以下の11基準である。施設の特徴(急性期,中枢神経疾患中心,小児など),施設の所在地(自宅から通勤可能,都市部など),給与,学会などの参加に積極的,職場の上司の人間性,職場の人間関係,新人教育制度の有無,職員研修制度の有無,職場内での勉強会・症例検討会の有無,残業の有無,スタッフ数の多少。【結果】1位→5位の順に5点→1点として選択数を掛けて得点化し,百分率で割合を求めた。その結果を,昨年の結果→今年の結果の順に示す。4期生:施設の特徴24.5%→24.5%,職場の人間関係23.2%→17.2%,上司の人間性13.5%→16.4%,施設の所在地14.0%→12.8%,給与12.6%→12.4%,学会・研修会への参加3.9%→6.2%,職場内での勉強会・症例検討会有り1.4%→3.4% 4年生:職場の人間関係20.0%→24.1%,施設の特徴25.8%→20.5%,上司の人間性13.3%→14.9%,給与14.2%→14.1%,施設の所在地13.4%→10.8% 3年生:施設の特徴25.9%→22.9%,職場の人間関係17.4%→18.6%,給与14.3%→16.2%,施設の所在地18.6%→14.4%,上司の人間性12.5%→12.6%【考察】4期生では職場の人間関係の比率が減少し,上司の人間性の比率の増加が見られるが,どちらも人間関係と捉えると両者の合計は大きな比重を示しており ,職場の人間関係は実際の就職先決定に於いても重視されていると考えられる。上司の人間性の比率の増加は,見学や面接で現場の責任者と接することが多いことが影響していると思われる。また学会・研修会への参加,職場内勉強会・症例検討会有りの比率が増加しているが,これは資格取得後,質の向上が不可欠という意識の現れであると考える。4年生では職場の人間関係や上司の人間性の比率が増加し,施設の特徴が減少している。これは臨床実習を通して職場の現実に触れ,より職場の人間関係の大切さを実感した為ではないかと考える。