理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: RO535
会議情報

教育
学生の専門職意識とコミュニケーション技術の継時的変化の分析と実習ドリルブックの開発
*藤縄  理久保田 章仁水野 智子谷合 義旦朝日 雅也磯崎 弘司井上 和久田口 孝行西原  賢丸岡  弘原  和彦中山 彰一溝呂木 忠江原 晧吉
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抄録
【はじめに】臨床実習では知識技術に加えて専門職意識、学習場面で必要なコミュニケーション技術や問題解決能力が重要である。本学ではこのような技能を実習開始前から実習中に自己学習するのに役立つドリルブックの開発を行ってきた。その一環として平成11年度から平成13年度まで、学生の専門職意識、コミュニケーション能力、問題解決能力を調査し、平成11年度、12年度の結果については本学会で報告してきた。今回は平成13年度の結果を加えて学生の継時的特徴を分析したので報告し、それをもとに作成したドリルブックの内容を紹介する。【方法】調査は平成11年から13年の1月の時点で在学していた全学生を対象として(入学定員:看護学科80、理学療法学科20、作業療法学科20、社会福祉学科40)、質問紙法により専門職についての意識、自己学習能力、対人関係やコミュニケーション、社会活動について調査分析した。その結果からドリルブックの内容を検討し作成した。【結果と考察】専門職意識についての肯定的回答の比率を継時的にみると「専門職の技術や勉強への意欲」は3年間を通じて70から85%と高く、「専門職の仕事を将来長く続けたい」「仕事に誇りを持っている」は60から70% であった。一方、肯定的回答が低い項目として「将来専門職の仕事をすることに自信がある」24%→14%→13%、「専門職の仕事に適している」20%→15%→13%となっていて、1年次から3年次へ進むとともに低下していた。学生は専門科目を勉強するにつれて自信や適性に不安を感じていると考えられる。 授業や実習への認識で肯定的回答は「専門職は知識と技術が必要」「学習は継続し続けることが必要」が年次を通じて90から98%と高く、「人間関係の大切さを学んだ」は80%→78%→93%と3年次でより高くなった。「専門職への関心が高まった」は64%→48%→65%と推移した。「専門職の本質について再認識した」は27%→33%→38%、「専門職感を明確にした」が20%→12%→30%と低かった。どちらも3年次で高くなっているが、まだ充分認識していないと推測できる。 自己学習については、「自己学習が困難」が77%→82%→84%と学年が進むにつれて増加し、その理由として「学習の仕方・レポートの書き方が分からない」「時間が足りない」が挙げられていた。自己学習が困難な理由の22%がグループワークで人と協力するのが難しいと回答していた。自己学習と対人関係・コミュニケーションの関係では、グループワークでの自己学習能力は対人関係能力と密接に関係しており、人と容易に協力できる学生は教員や他学生とのコミュニケーションが多かった。 このような結果をもとに、ドリルブックは学生が1)問題点の発見と解決の糸口を見つけ、2)実習における問題発生状況とその対応策を検討し、3)アイデンティティと対人関係を見つめ、4)自己学習と臨床的推論ができるような構成にした。今後その効果を検証し、学生指導に活用して行きたい。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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