理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: RP388
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教育
学内教育における動作分析フローチャート活用の試み
*関 裕也松本 直人川崎 孝晃関 貴子曽根 幸喜畠山 美智子
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抄録
【はじめに】教育場面で動作分析の指導にあたっていると、多くの学生が観察で終了し、解析や統合と解釈に進めないという状況を経験する。そこで観察、解析、統合と解釈の流れを図式化した動作分析フローチャート(以下チャート)を作成した。そしてそれが実習において動作分析の有用な教材になるか検討した。【対象と方法】対象は本学院3年生34名(男性29名、女性5名)である。評価法の講義で模擬患者を用いた動作分析実習の際に、チャートに基づいた指導を行った。そして初めての評価実習後に動作分析に関する質問紙調査を行った。内容は1)動作分析のどのプロセスができたか。2)動作分析のどのプロセスができなかったか。3)チャートは動作分析を行う上で参考になったか。4)チャートは動作分析のどのプロセスで参考になったか(3で参考になった者のみ)。5)チャートはどのような点で参考になったか(3で参考になった者のみ)。6)チャートはどういう点で参考にならなかったか(3で参考にならなかった者のみ)である。3)は多項選択法にて調査し、その他は複数回答法にて調査した。【結果】1)は観察(61.8%)、解析(35.3%)、統合と解釈(11.8%)であった。2)は観察(32.4%)、解析(52.9%)、統合と解釈(76.5%)であった。3)は参考になった(26%)、やや参考になった(47%)、あまり参考にならなかった(24%)、全く参考にならなかった(3%)であった。4)は観察(60%)、解析(64%)、統合と解釈(72%)であった。5)は授業内でのチャートの活用(68%)、動作分析の流れのわかりやすさ(56%)、自分のやり方との合致(16%)、実習指導者(以下SV)の指導方法との一致(8%)、その他(8%)であった。6)はチャートによる動作分析の未習得(55.6%)、SVの指導方法との不一致(55.6%)、チャートのわかりにくさによる不使用(11.1%)であった。【考察】結果より、チャートは実習において特に学生が苦手とする「解析」「統合と解釈」のプロセスで参考になることが示唆された。またチャートの利用は、学生にとって動作分析の流れがわかりやすいという利点があった。沼野らによればフローチャートの利点は学生のみならず教育者にもある。具体的には、個人に適した指導が可能となることが述べられている。これについては確かに学生がどのプロセスでつまずいているかを把握しやすくなるという印象を得ている。その結果、学生指導の際により個人に適した指導ができる可能性があるのだろう。以上より、実習においてチャートは有用な教材になりえると考えられる。ただし、SVの考え方の差異によってチャートが無効となる可能性があるため、学生のみならずSVへの啓発活動も必要であると考えられる。  
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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