理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: RP821
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教育
長期実習における腰痛予防の試み
*東 裕一横尾 正博
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キーワード: 長期実習, 腰痛, 腰痛教室
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抄録
【はじめに】以前の調査では最終学年の長期実習中の腰痛は実習終了により軽減し,就職後腰痛が継続しても実習中よりも軽度なものであった.また,在学中腰痛者の多い学年が3週間の短期実習に出る直前に希望者を小グループに分け,タイプ別に腰痛体操の指導,予防教育を実施することにより腰痛をある程度コントロールさせることができた。今回は9週間の長期実習の前に学生全員に対し腰痛教室を実施することによって実習中の腰痛をコントロールさせることを目的とした。【対象】当学院理学療法学科昼間部3年と夜間部4年の85名(男性55名,女性30名)で,平均年齢は男性28.0±5.7歳,女性23.1±4.9歳である.【調査方法】腰痛の調査は短期実習及び長期実習終了直後のセミナー時にアンケート調査した.体幹筋力測定は2つの実習の間にクラス別で実施した.測定方法はクラウスウェーバー変法とした.【腰痛教室内容】アンケート調査した3週間の短期実習での腰痛発生状況と1年前の短期実習での腰痛発生状況をフィードバックした.同日に体幹筋力測定を実施し,基準値と比較させた.腰痛教室においては日常生活での注意,ストレッチ運動や筋力強化運動の目的とポイントについて資料を作成して説明した.【結果】1.3週間の短期実習での腰痛経験は51名(62.2%)であり,9週間の長期実習での腰痛経験は57名(67.1%)と増加した.短期実習前から痛みのあった者は27名(32.9%)であった.2.痛みの程度ではVASにより1から3を軽度,4から6を中等度,7以上を重度とした場合,短期実習では軽度31名(37.8%),中等度11名(13.4%),重度9名(11.0%)であり,長期実習では軽度21名(24.7%),中等度23名(27.1%),重度11名(12.9%)と重症化した.3.実習中の腰痛の変化では長期実習中に悪化した者は10名,不変23名,改善8名であり悪化が僅かに多かった.今回の腰痛で整形外科を受診した者は3名で実習中の改善はなかったようである.4.考えられる腰痛の原因では「長時間の立位」27名(31.8%),「宿舎での勉強姿勢」24名(28.2%),「トランスファー」21名(24.7%)が多かった.引越しで腰痛になった者が2名いた.長時間の立位による腰痛経験者で体幹筋筋力低下があった者は4名であった.5.腰痛予防あるいは悪化防止に腰痛教室が参考になったと答えたものは20名(23.5%)にとどまり,腰痛と付き合っていく方法が「よく分からない」と答えた者が16名(18.8%),「苦しんでいる」者が2名であった.
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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