理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: RP822
会議情報

教育
学部生の就職状況と就職先選定要因への関心度
*久保 晃丸山 仁司花岡 真史小林 友美
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
<はじめに> 高齢社会の進展や介護保険制度の開始により、理学療法の需要が高まっている。一方、近年の理学療法士養成校の著しい増加が、従来の就職状況を変化させ、現在より、就職活動および就職先は多様化すると予測される。これに備え、我々は、理学療法士養成校卒業生の就職状況と就職先選定要因への関心度を把握する目的で、調査を行った。<対象と方法> 対象は、国際医療福祉大学理学療法学科を平成12年度および13年度に卒業した学生のうち、調査に協力を得た187名、平均年齢24±3歳(男性94名、平均年齢24±4歳、女性93名、平均年齢23±2歳)である。 調査は、質問紙を用い、集団調査法で国家試験前の2月に行った。内容は、就職内定先、就職試験を受けるに至ったきっかけ、内定先と希望順位の関係、希望勤続年数、就職先選定要因についての関心度である。就職先選定要因は、過去の求人票を概観し、ほぼ共通して記載されている8項目(給与・諸手当、分野・専門性、研究・学術活動、職場の人間関係、勤務時間・日数、理学療法士数、施設規模、地域・所在地)について、「非常に関心がある」から「全く関心がない」の直線10cmのVisual Analogue Scale(VAS)を掲示し、「全く関心がない」からの距離を測定し、関心度とした。各項目を、男女別に集計し、関心度については、マン・ホイットニ検定を用い、危険率5%未満で有意とした。<結果および考察> 就職内定先は、医療施設が全体の79.1%と大部分を占め、残り約2割は大学院進学、医療施設以外(老人保健施設3.7%)などであった。試験を受けるきっかけは、求人票からが33.7%、進学時点で内定済み21.9%、先輩・知人・先生からの紹介20.3%とこれらを合わせると76%に達し、実習で御世話になっては9.1%であった。内定先の希望順位は、58.8%が第一志望であった。希望勤続年数は、2から3年が24.6%、5年程度が33.7%、10年程度が12.8%、15年以上が10.7%、わからない・無回答が18.2%で、5年程度以下が過半数を占めていた。これらのいずれの項目も、性差は認められなかった。就職先選定要因についての関心度(最高度数は10)は、給与・諸手当は平均7.5、分野・専門性は平均8.1、研究・学術活動は平均5.8、職場の人間関係は平均8.5、勤務時間・日数は平均7.4、理学療法士数は平均6.8、施設規模は平均6.8、地域・所在地は平均7.4といずれの項目も関心ありに傾いていたが、職場の人間関係を最も重視している様子が伺われた。性差では、分野・専門性、研究・学術活動については男性が有意に高く、勤務時間・日数では女性が有意に高かった。 このような調査は今後も継続し、データを蓄積していくことで、学部生の就職に対する意識の変化や、就職状況の変化を捉えていく必要性が高いと考えられる。
著者関連情報
© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top