理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: TP703
会議情報

健康増進
重度身体障害者更生援護施設における万歩計を活用した健康増進活動について
*石渡 和美
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
【はじめに】当施設は、重度身体障害者更生援護施設50床、身体障害者療護施設100床を併設している。ケアプランに基づきさまざまな職種が利用者に援助している。一人一人に対しての援助はもとより、グループ援助も実施している。理学療法士の援助のひとつとして、健康増進を目的に平成12年7月より実施している万歩計を活用した援助内容を報告するとともにその有効性や今後の課題に対して、若干の知見を得たので報告する。
【援助内容】対象は当苑利用者150名のうち、参加希望者とした。方法は万歩計を利用者の移動方法により、手首又は足首に装着した。装着時間は午前9時から午後5時までとした。目標値はおおむね利用者に決めていただいき、期間中努力していただいた。なお、記録の提示は全利用者にわかるように提示したため、競争心理が働きやすいものであった。実施期間は試行錯誤し現在は土日を除く2週間としている。また、長期的に運動を継続していただくために、平成13年6月より30日目標値を達成すると表彰する30日運動も実施している。
【有効性の検証】平成13年度に健康増進活動を3回実施した。1回目は4月に9日間実施した。2回目は8月に5日実施した。3回目は11月に1ヶ月(土日祝日は除く)実施した。3回すべてに参加した群を実施群とする。3回すべて不参加または、1回目または2回目のみ参加した群を不参加群とした。
【対象】実施群14名で疾患別内訳はCVA9名、CP4名、その他1名であった。年齢は平均50.4歳であった。不参加群は30名で疾患別内訳はCVA19名、CP6名、その他5名であった。年齢は平均52.7歳であった。
【方法】平成13年4月および平成14年4月に12分間歩行距離(m)を測定した。12分間歩行距離は利用者に危険のない程度に最大限に移動してもらいその移動距離を測定した。統計学的検定として実施群と不参加群において、12分間歩行距離をMann-Whitey検定法にて検定した。有意水準は5%とした。
【結果】Mann-Whitey検定法の結果、実施群、不参加群間において、12分間歩行距離の有意差を認めなかった。しかし、実施群において改善の差はあるものの、14名中11名(76.8%)に改善が認められた。不参加群においては30名中17名(56.7%)に改善を認めた。
【考察】今回体力が増進したかを12分間歩行距離にて検討したが、有意差を認めなかった。その要因として、利用者に問題があった。つまり測定を最大努力したかが疑わしいということ。次に活動方法に問題があった。たとえば移動スピードは運動強度に適していたか、また運動継続時間(量)は適していたか、などが考えられた。
【今後の課題】健康を維持増進するために、万歩計1万歩といわれているのは誰もが周知のとおりである。障害者が健康を増進させるために必要な量を簡単に算出する方法を今後検討していきたい。
著者関連情報
© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top