抄録
【はじめに】国は、21世紀をすべての国民が健やかで心豊かに生活できる活力ある社会とするために、2000年に「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」を新たな国民運動として推進することを決定した。また、2000年度で計画終了時期を迎える市町村母子保健計画の代わりに、2000年11月「健やか親子21」を提言した。各市町村は、地域等の実情に応じた健康づくりの推進に関する具体的な計画に、数値目標を取り入れ策定し、運動期間の2010年度に最終評価を行い、その評価をその後の運動の推進に反映させることになった。厚岸町では、これを受けて健康に関する全ての関係機関・団体等と町民が一体となって、市町村計画を策定することになった。今回は、市町村計画を策定するために行政職の理学療法士として関わった状況について策定経過を含めて報告する。【策定経過】平成13年5月:厚岸町保健・医療・福祉総合サービス調整推進会議及び委員会招集(厚岸町の保健・医療・福祉関連機関へ健康づくり市町村計画策定の了解)6月:21世紀厚岸町健康づくり検討委員会設立7月:母子・健康意識調査実施9月:調査集計10月:調査及び実績数値まとめ11月:健康づくり計画厚岸版草案作成開始平成14年2月:厚岸町保健・医療・福祉総合サービス調整推進会議及び委員会招集(健康づくり計画厚岸版の了解) 4月:21世紀厚岸町健康づくり検討委員会(健康づくり計画厚岸版の了解)5月:健康づくり計画厚岸版印刷6月:健康づくり計画厚岸版町民配布【まとめ】市町村計画を策定することは、多数の関連部署・機関等と連携し、情報収集分析し、その結果完成するのである。そのため、理学療法士としての医学的専門性以外の多方面に渡る知識、知恵、技術、技能が必要である。また、市町村独自の関連部署・機関に対する理解も必要である。医療職は疾病に対しては敏感に反応するが、健康づくりの基本である、第一次予防に対しては反応が鈍い。健康づくり市町村計画策定は疾病に対しての対策ではなく予防対策である。「健康とはいったい何か?」この問題に正面から取り組むことが常に必要である。「現在ある健康状態をどのように維持させていくことが出来るか」についても考えなくてはならない。今後、地域社会の保健・医療・福祉を担う行政職理学療法士という職域を拡大していくことが必要である。地域社会では、市町村計画策定、健康づくりなどに取り組む行政職理学療法士を必要としている。そのためにも、学校教育課程の中に、その育成を促進するために必要な科目を創設し、どのように学生を取り込んで教育していくのかという視点も必要であろう。