理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: TP785
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健康増進
生理的反応からみた車椅子両下肢駆動を用いた有酸素トレーニングプログラムの短期効果
*西田 裕介久保 晃
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抄録
【はじめに】車椅子駆動は日常活動の中でも運動強度が高い活動のひとつであることから,車椅子駆動を用いた包括的トレーニングプログラムを作成することは,体力の維持または向上に影響してくる可能性が高いものと考えられる。本研究では,健常成人男性を対象として車椅子両下肢駆動を用いた有酸素トレーニングプログラム(WCTR)を作成し,その短期効果を生理的反応の側面より検討した。【対象および方法】対象は,健常成人男性22名(平均年齢26.2±4.5歳)である。対象者をトレーニング群(TR群)と非トレーニング群(非TR群)に11名ずつ割り付け,TR群は週3回以上の頻度にて4週間WCTRを実施した。プログラム内容は,120steps/minのピッチで15分間,車椅子を両下肢のみで駆動させた。測定項目は嫌気性代謝閾値(AT)および最高酸素摂取量(VO2max),AT時の心拍数(HRAT)および主観的運動強度(RPEAT)であった。各データ測定のためにTR前,後に車椅子両下肢駆動を用いた症候限界性の運動負荷試験を実施した。さらに,その時の運動時間も比較した。統計学的には,得られたデータよりTR前,後で対応のあるt検定,群間比較には対応のないt検定を用いて検討し,危険率5%未満を有意差ありとした。【結果】TR群では,TR前ではAT:12.9±3.3ml/min/kg,VO2max:18.8±5.0 ml/min/kg,HRAT:126.3±17.9bpm,RPEAT:15.6±1.3,運動時間:18.5±1.8minであり,TR後では,AT:18.6±3.8ml/min/kg ,VO2max :28.2±5.7 ml/min/kg,HRAT:142.8±14.3bpm,RPEAT:14.6±1.3,運動時間:23.3±1.7minであった。ATおよびVO2max,HRAT,運動時間はTR前と比較してTR後で有意に増加していた(p<0.05)。RPEATはTR前後で有意差は認められなかった。非TR群では,VO2max,運動時間は4週後で有意に増加していたが(p<0.05),その他の項目では統計的に有意差は認められなかった。また,TR前のデータにおいて群間での有意差は認められなかった。【まとめ】本研究では,より多くの筋群を使用するよう車椅子両下肢駆動を設定し,それを用いた4週間の有酸素トレーニングプログラムを作成した。その効果を生理学的反応の側面より検討した結果,本研究で設定したプログラムのトレーナビリティーは高いものであることがわかった。今後,本研究で設定した車椅子両下肢駆動を,高齢者をはじめとする医療関連施設利用者の包括的トレーニングプログラムを作成する際の1つの方法として応用していくつもりである。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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