理学療法学Supplement
Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 185
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理学療法基礎系
6自由度電気角度計を用いた脛骨前後方向変位量の計測
*大西 秀明, 寺島 和浩, 黒川 幸雄
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抄録
【目的】本研究の目的は,6自由度関節角度計を用いて膝屈伸運動中における脛骨前後方向変位量を解析することである.
【方法】(1)6自由度電気角度計の精度確認.6自由度電気角度計の精度を検証する目的で,東大式角度計とノギスを用いて膝関節を模倣した膝関節模型を作成し,膝関節模型の屈曲角,回旋角および前後方向変位量をそれぞれ3種類ずつ変化させた際に得られたデータから電気ゴニオメーターの精度を検証した.計測課題は,屈曲角を0,45および90度の3種類,回旋角を20,0,-20度の3種類,前後方向の変位を0,3,7mmの3種類を組み合わせた27試行とした.(2)膝関節屈伸運動時における脛骨前後方向への変量計測.対象は健常成人2名(33歳,35歳)とし,6自由度電気角度計を大腿部および下腿部に装着した装具に固定した.計測課題は,(a)他動的膝伸展運動3回,(b)重りによる負荷無しの状態で膝伸展自動運動3回,(c)1kgの重りを足関節部に負荷した状態で膝伸展自動運動3回,(d)2kgの重りを負荷した状態での膝伸展自動運動3回,(e)4kgの重りを負荷した状態での膝伸展自動運動3回とし,全て下腿下垂位での椅子座位で行った.
【結果】膝関節模型で屈曲角0度,45度および90度の際に電気角度計から得られたデータは,それぞれ0.1±0.6度(平均値±標準偏差),44.4±0.4度,89.2±0.3度であった.回旋角-20度,0度および20度時に得られたデータは,-19.9度±0.3度,0.3度±0.3度,21.1度±0.4度であり,前後方向変位量が3mmおよび7mmの時には,それぞれ3.0±0.3mm,6.8±0.4mmであった.他動的運動時にける膝屈曲角度に対する脛骨前後方向変位量を基準にして,自動運動時における脛骨前後方向への変位量を算出した結果,2名の被験者において膝関節20度から30度屈曲位付近で脛骨前方変位量が最も大きく11.5mmから27.7mmであり,70度屈曲位で-0.4mmから6.8mmと最も小さかった.
【考察】本実験の結果から6自由度電気角度計は十分に臨床応用できる計測機器であると考えられた.生体に電気ゴニオメーターを固定する場合は,膝関節模型に固定した場合と異なり,筋収縮に伴う筋の膨隆により皮膚上に固定した電気角度計と膝関節との位置関係がずれることが予測される.そのため電気角度計を固定するための装具も新たに考案し,筋収縮に伴う筋膨隆に影響されにくい装具を作成した.この装具は下腿側の固定軸を脛骨内側面に,大腿骨側の固定軸を腸脛靭帯部に合わせ,筋の膨隆に伴い容易に伸張する素材と全く伸張性のない素材からできているベルトを用いて固定した.この結果,筋膨隆に伴い電気角度計固定用軸の動きを極めて少なくすることができた.他動的に膝関節屈伸運動を行った際に得られた値を基準として自動運動時の脛骨前方変位量を解析し,2名の被験者とも負荷の大きさにかかわらず20度または30度屈曲位で最も大きいことが示された.この結果は過去の報告と一致するものであった.
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© 2004 日本理学療法士協会
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