理学療法学Supplement
Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 381
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神経系理学療法
脳卒中片麻痺患者における拾い動作の検討
拾い動作と歩行自立度との関連(第3報)
*西川 武沖山 努江島 郁子酒本 美樹田村 美和藤原 夏花實松 昌美宮本 佳則
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キーワード: 拾い動作, 荷重率, 足圧中心
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抄録
【はじめに】我々は、第37回本学術大会において、脳卒中片麻痺患者(CVA)の歩行自立を判断する指標として、拾い動作の有用性を報告した。次に、第38回大会で健常者を対象とし、拾い動作の分析を足圧中心(COP)と荷重率にて行った。その結果、COPの前方移動と前方下肢への荷重率の増加を確認し、前方下肢の支持性が重要であると考えた。今回CVAを対象に、COPと荷重率を用い歩行能力の違いによる拾い動作の検討を行ったので報告する。
【対象と方法】対象は当院入院中のCVA13名、近位監視のもと30秒間立位保持が可能な者とした。また、病棟から運動療法室までの歩行が自立している者を自立群6名、そうでない者を非自立群7名と分類した。年齢は65.6±13.4歳、発症からの期間は3.5±1.1ヶ月で、指示理解困難な者は除外した。測定機器は、アニマ社製重心動揺解析システムG-6100を使用した。課題は、静止立位からお手玉を非麻痺側上肢で拾い、その後静止立位を保持するものである。お手玉の位置は、足圧測定用センサー台の中心より40cm前方とした。被験者の測定肢位は、足位を足圧測定用センサー台の中心より左右に両踵15cm開いた開脚立位と、その肢位より一側下肢を後方へ20cm開いたステップ位とし、それぞれ開脚、非麻痺側前、麻痺側前の計3パターンとした。サンプリング周期は5msecで15秒間測定した。COPと荷重量は、静止立位とお手玉を拾う瞬間を基点とし、それぞれ前後25msec内11ポイントの平均を算出した値とした。さらに、荷重量を各々被験者の体重で除した値を荷重率とし、COPと荷重率の平均値をそれぞれの群で算出した。統計解析にはWilcoxonの符号付順位和検定、Mann-Whitney検定を用い、有意水準5%未満とした。
【結果と考察】COPの移動について、両群共に一定の傾向を認めず、両群間の有意差も認めなかった。しかし、COPの前方移動を前回の健常者データと比較すると、CVAでは有意に小さかった。荷重率については、立位で両群共に非麻痺側の荷重率が高かった。拾い時で、非自立群は立位と同様非麻痺側の荷重率が高かったのに対し、自立群では両側荷重率に有意な差を認めず、麻痺側で非自立群に比して高い荷重率を示した。以上より、拾い動作における自立群では麻痺側下肢への荷重能力が重要であると考えられた。さらに麻痺側下肢に荷重可能な自立群においても、非自立群と同様COPの前方移動が少ない状態で拾い動作が行われていることから、拾い動作には麻痺側下肢の機能だけでなく、非麻痺側下肢を含めた他の要因も影響すると推察される。今後、各対象間の比較検討を行い、拾い動作と歩行自立度との関連性を考察していく必要がある。
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© 2004 日本理学療法士協会
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