理学療法学Supplement
Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 100
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骨・関節系理学療法
健常成人前足部における足趾長とボール角の比較検討
*鈴木 順一小枩 武陛久利 彩子岸本 眞浅野 達雄
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キーワード: 前足部, 足趾長, ボール角
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抄録
【はじめに】
 ヒトの足部は前・中・後足部で構成され,それぞれの機能と働きは異なっている。前足部は姿勢保持や踏み切り動作などに関与する部位であり,外反拇趾など足趾の障害発生部位でもある。前足部は足部の構成上重要な部位であるが,足趾長から形状を目視で分類するなど客観性が乏しく,中・後足部に比べ評価項目は少ない。よって,前足部の形状を比較検討するために,足趾長とボール角との関係を調査した。
【対象および方法】
 調査目的を説明し了解が得られ,足部に障害の無い健常成人80名160足を調査対象とした。内訳は男性38名,女性42名,平均年齢36.6±17.0才であった。
 調査方法は被検者に両下肢均等加重で開脚立位をとらせ,トレース専用用具を用い足部の輪郭投影線を描画した(足と靴と健康協議会計測方法に準拠)。1趾・第2趾・第3趾先端,踵点,脛・腓側中足点を足型輪郭線上に印を付け,足型投影線を基に1趾・第2趾・第3趾長と足底縦軸線と脛・腓側中足点を結ぶ線との交点より第2ボール角(以下ボール角)を求めた。(日本人間工学会測定方法に準拠)。足趾長は菊田らの全誤差分散による境界値を基に2.5mm以上と,2.5mm未満に分け,第1趾が最も長く第2・3趾との差が2.5mm以上ある足型(以下E-I型と略す),2.5mm未満の足型(以下E-II型と略す),第2趾が最も長く第1・3趾との差が2.5mm以上ある足型(以下G-I型と略す),2.5mm未満の足型(以下G-II型と略す)の4分類化した。
 統計処理は有意水準5%とし,2要因被検者間による分散分析後多重比較検定を実施した。
【結果】
 調査した160足はE-I型91足,E-II型35足,G-I型17足,G-II型17足に分類できた。各水準のボール角はE-I型77.2±3.0°,E-II型77.3±3.3°,G-I型79.1±3.0°,G-II型77.3±2.0°であった(Means±SDs)。統計結果は2要因の交互作用に有意な傾向が認められ(F(1,156)=2.77,p<.10),各水準の単純主効果分析ではE型水準とG-I型水準で,G型水準とE-II型水準において危険率5%水準で有意差が認められた。E型およびG型それぞれの要因内では有意差は認められなかった。
【考察】
 足趾長とボール角に有意差および有意な傾向が認められたことで,前足部の評価においては足趾長による形状分類に併せ,ボール角計測の必要性が示唆された。E型およびG型の要因内で有意差がないことより,各要因内の足趾長はボール角に影響しないものと考えられた。E-II型とG型との有意差に関しては,前足部を構成するその他の要因を含め,今後検討を加えたい。
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© 2004 日本理学療法士協会
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