理学療法学Supplement
Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 609
会議情報

内部障害系理学療法
電動補助型(パワーアシスト型)車椅子が駆動負担におよぼす影響
*久保 晃丸山 仁司
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
【目的】
 電動補助型(パワーアシスト型)車椅子駆動時、標準型車椅子と比べて速度や傾斜がどのように運動強度に影響を及ぼすのかを酸素摂取量、心拍数、主観的運動強度から明らかにすること。
【対象と方法】
 対象は、健常成人11名(男性8名、女性3名、平均年齢25±9歳)で、身長は、平均168.8±6.0cm、体重は、平均61.3±5.1kg、BMIは、平均21.5±1.1kg/m2である。
 使用した車椅子は、パワーアシスト型車椅子(YAMAHA、JW II、重さ26.5kg)と標準型車椅子(重さ17.5kg)で両車椅子駆動時の運動強度を比較した。
 まず、トレッドミル(Woodway社製車椅子用トレッドミルSPR-7050、ベルト幅90cm、長さ165cm)上に設置したパワーアシスト型車椅子に駆動者は乗車し、運動開始前に3分間の安静をとった。その後、速度は1.5km/hと3.0km/hの2条件で、傾斜は0%、3%、6%の3条件、計6施行を3分間ずつ、計18分間の課題を遂行した。
 次に、3分間の休憩後、標準型の車椅子に乗車し、同様の条件で計18分間、総計36分の駆動を施行した。予備実験で、標準型車椅子3.0km/h、3%以上のでは身体的および自覚的に強い負荷になっため、心拍数が140bpmに到達した場合には、毎分主観的運動強度の聴取を行った。そして、「17、かなりつらい」を超えた場合、対象者の意向で課題を中止した。
 課題開始前の安静から課題終了まで連続的に体重1kgあたりの酸素摂取量を一呼吸毎に呼気ガス分析装置(ミナト医科学社製エアロモニターAE280S)を用いて計測し、30秒間隔の平均値を求めた。同時にモニター心電計(フクダ電子社製ダイナスコープDS-3300)にてCM5誘導で心電図を監視した。各段階終了前10秒間のR-R間隔より心拍数を測定した。また、Borgにより作成された主観的運動強度も各段階終了30秒前に聴取した。
 得られた酸素摂取量、心拍数から時速1.5km/hと3.0km/hにおいて、車椅子の種類と傾斜角度を要因とした二元配置分散分析を施行した。主観的運動強度は、Kruskal-Wallis検定を施行し、有意水準はいずれも5%とした。
【結果とまとめ】
 酸素摂取量、心拍数とも時速1.5km/h0%では、車椅子の種類による顕著な差は観察されなかった。しかし、その条件以外では、パワーアシスト型に比較して標準型は高い負担度となった。各速度で車椅子の種類および傾斜角度に有意な主効果と交互作用を認め、傾斜が生じた場合には、負担はさらに大きくなることが示された。主観的運動強度についても同様の傾向を示した。したがって、パワーアシスト型車椅子の駆動の補助は、エネルギー消費の軽減に大きく貢献していることが判明した。
著者関連情報
© 2004 日本理学療法士協会
前の記事 次の記事
feedback
Top