理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 1099
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理学療法基礎系
在宅での歩行能力評価指標の検討
―歩行率・歩幅より分析した1.5m歩行評価―
*吉松 竜貴藤井 伸一住谷 久美子久保 晃小林 修二牧迫 飛雄馬阿部 勉徳原 理恵
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キーワード: 1.5m歩行, 歩行率, 歩幅
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抄録
【目的】本研究では歩行率・歩幅より1.5m歩行を検討し,歩行能力評価としての可能性を探ることを目的とした。
【方法】対象は徳丸病院の入院患者14例(男性8例,女性6例,年齢70.9±11.5歳,身長153.8±11.4cm,体重51.4±8.4kg)とした。主たる疾患の内訳は,脳梗塞10例,脳出血2例,くも膜下出血1例,大腿骨頸部骨折1例であった。対象者は開始線より歩行を開始し,検者は対象者が1.5m,5m,10mの各ラインを通過した際の所要時間及び歩数を計測した。歩行は,快適速度,最大速度の順で行い,各速度での施行は1回ずつとした。計測された所要時間,歩数より歩行率(steps/min)及び歩幅(cm)を算出し分析を行った。統計学的検討は歩行率・歩幅共に,各速度において,歩行距離(1.5m,5m,10m)を要因とする一元配置分散分析を行った。また,各速度において,1.5m歩行と5m歩行間,1.5m歩行と10m歩行間での相関分析(ピアソンの相関係数)を行った。有意水準は5%未満とした。
【結果】快適歩行での歩行率は1.5m歩行で92.5±38.5 steps /min,5m歩行で87.1±33.3 steps /min,10m歩行で80.8±26.7 steps /minであり,歩幅は1.5m歩行で27.5±11.1cm,5m歩行で29.0±12.0cm,10m歩行で30.6±12.6cmであった。最大歩行での歩行率は1.5m歩行で95.1±37.0 steps /min,5m歩行で97.9±37.4 steps /min,10m歩行で93.7±35.6 steps /minであり,歩幅は1.5m歩行で30.8±11.6cm,5m歩行で33.7±13.7cm,10m歩行で34.8±14.2cmであった。快適・最大歩行共に歩行距離による歩行率・歩幅に有意差は認めなかった。相関分析の結果は,歩行率に関しては,快適速度で1.5m歩行と5m歩行間でr=0.93,1.5m歩行と10m歩行間でr=0.92,最大速度で1.5m歩行と5m歩行間でr=0.98,1.5m歩行と10m歩行間でr=0.89であった。歩幅に関しては,快適速度で1.5m歩行と5m歩行間でr=0.97,1.5m歩行と10m歩行間でr=0.98,最大速度で1.5m歩行と5m歩行間でr=0.96,1.5m歩行と10m歩行間でr=0.93であった。全てに強い正の相関を認めた(p<0.0001)。
【考察】歩行率・歩幅に関し,快適・最大歩行共に歩行距離の違いによる有意な差は認めなかった。また,快適・最大歩行共に1.5m歩行での歩行率・歩幅は5m歩行,10m歩行のそれぞれと有意に高い相関関係を認めた。今回の結果より,1.5m歩行は,5m・10m歩行同様に歩行能力評価指標の一つとして活用できる可能性があると考える。
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© 2005 日本理学療法士協会
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