理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 282
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神経系理学療法
回復期リハビリテーション病棟における成果
―車椅子偏重からの脱却の視点より―
*辛嶋 美佳梅野 裕昭尾方 英二黒瀬 一郎松原 廣典佐藤 浩二衛藤 宏
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抄録
【はじめに】当院は平成12年5月に回復期リハ病棟を1病棟60床開設し、その後増設を重ね現在は3病棟180床で運営している。開設当初より本病棟の目的達成に向け、リハチーム一丸となって取り組んでいる。
 今回、当院の回復期リハ病棟での取り組みの成果を車椅子偏重からの脱却の視点で検討したので報告する。
【対象】当院の回復期リハ病棟に入院した脳血管障害患者で平成15年4月1日時点の在院患者129名(以下、H15年)と平成16年4月1日時点の在院患者126名(以下、H16年)である。なおH15年とH16年では病型、麻痺側別、性別、発症経過期間、4月1日時下肢Br.Stageに統計上有意差は認めない。また4月1日時のBI得点はH16年が有意に低く、年齢はH16年が有意に高かった。
【方法】各年の4月1日時点のBI得点を0~25点(A)、30~55点(B)、60~85点(C)、90点以上(D)の4群に分け各群ごとの車椅子使用数、及び車椅子使用形態を調査した。車椅子使用形態は、病棟での移動時は常時車椅子を使用している者(以下、常時使用)、時間帯を決め車椅子を除去し介助歩行を行っている者(以下、一部除去)、完全除去には至っていないが病棟スタッフが全て監視や介助歩行を行っている者(以下、監視)、完全除去している者(以下、完全除去)の4形態に分け分析した。
【結果】各群ごとの車椅子使用数は、H15年はA:12/12名、B:38/39名、C:22/34名、D:3/44名であった。H16年はA:16/16名、B:38/38名、C:30/44名、D:1/28名であり、両群間に統計上有意差は認めなかった。各群ごとの車椅子使用形態は、A:H15年は12名の全てが常時使用、H16年は常時使用14/16名、一部除去2/16名。B:H15年は常時使用34/39名、監視4/39名、完全除去1/39名、H16年は常時使用23/38名、一部除去11/38名、監視4/38名。C:H15年は常時使用11/34名、一部除去5/34名、監視6/34名、完全除去12/34名、H16年は常時使用5/44名、一部除去9/44名、監視16/44名、完全除去14/44名。D:H15年は常時使用、一部除去、監視が各1名、完全除去41/44名、H16年は監視1/28名、完全除去27/28名であった。BとCで統計上有意差を認め、H16年は常時使用が有意に減少し一部除去や監視が有意に増加していた。
【考察】調査結果より、H16年はH15年に比べBI得点は低くADL状態は重症化し、更に高齢化していた。このような状況下において両年の車椅子使用数に差は無いものの、使用形態についてはH16年では車椅子常時使用の割合が減少し、一部除去の割合が有意に増加していた。これは病棟ADLの取り組みが浸透し、個々の能力に応じた少量頻回の立位、歩行の機会が増えた結果と判断される。
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© 2005 日本理学療法士協会
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