理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 884
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神経系理学療法
回復期リハビリテーション病棟における脳卒中片麻痺患者の歩行自立度と非麻痺側膝伸展筋力の関係
*二井 俊行飯田 有輝伊藤 武久
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抄録
【はじめに】当院は病院完結型を有しており,急性期治療が終了次第,回復期リハビリテーション病棟(以下回復期リハ病棟)へ転棟することができ,積極的なチームアプローチにより早期ADL獲得をめざしている。ADL獲得には,早期歩行獲得が関与しており,特に脳卒中片麻痺患者の歩行能力を決定する因子としては,非麻痺側膝伸展筋力(以下筋力)の関与が大きいとの報告がある。今回我々は,回復期リハ病棟における脳卒中片麻痺患者の退院時歩行自立度と筋力の推移,病棟内歩行開始時期の関係について検討したので報告する。

【対象と方法】対象は,当院回復期リハ病棟に入院した脳卒中片麻痺患者のうち,病棟内歩行訓練を積極的に行った25例である。内訳は男性16名,女性9名で平均年齢65.1±8.1歳。脳梗塞15例,脳出血7例,くも膜下出血3例,発症から転棟まで27.8±15.3日,発症から病棟歩行訓練開始まで50.0±27.0日であった。対象者の退院時点での歩行自立度を機能的自立度評価法(FIM)に基づいて自立群7,6点(以下自立)監視群5点(以下監視)介助群4点以下(以下介助)の3群に分類した。筋力は,CYBEX 6000 HUMAC Systemを用いて測定し,ピークトルク値を体重で除した値(Nm/kg)を求めた。測定は,回復期病棟入棟日(以下入棟日)と病棟歩行開始日(以下開始日),退院日の3回行い,歩行能力と筋力および発症からの日数を検討した。統計学的手法として分散分析を用い,5%を有意水準とした。

【結果】発症から各測定日までの推移をみると,自立群と監視群において開始日と退院日の筋力に有意差を認めた。退院時点の歩行能力別にみると,自立群と監視群の比較において,筋力には有意差を認めなかったものの,発症から入棟日,開始日,退院日までの各日数に有意差を認めた。監視群と介助群の比較では,入棟日,開始日,退院日いずれの測定日においても筋力は有意差を認めたが,発症からの各日数には有意差を認めなかった。

【考察】今回の結果から,退院時介助量の少ない症例では,歩行開始日から退院日にかけて筋力が増加していた。これは回復期リハ病棟の特色である生活に対するアプローチにより歩行する機会が増えた結果,廃用症候群を予防し筋力も増加していたと考えられる。しかしながら歩行自立群と比較して監視群では筋力に差がないものの日数が長く,病棟生活での歩行量の違いが反映された結果と思われる。また介助群では日数に差がないものの筋力に差があった。これは麻痺による筋出力の問題が考えられるが,病棟における活動量も少なからず関与していると思われる。早期実用歩行獲得のためには,下肢装具や歩行補助具を用い,できるだけ早期に実際の生活場面における歩行能力を最大限に引き出し,1日の歩行時間・活動量を増やしていく必要があると考えられた。
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© 2005 日本理学療法士協会
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