理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 379
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骨・関節系理学療法
大腿骨頚部骨折患者の歩行獲得状況及び影響因子の比較検討
*岡田 裕隆小野 武也宮崎 純弥
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抄録
【はじめに】高齢者が寝たきりになる直接的な原因として、最も多い疾患の一つに大腿骨頸部骨折が挙げられる。この骨折を契機に歩行能力が低下し自宅復帰が困難になることも多い。そこで本研究の目的は、当院の大腿骨頸部骨折患者における歩行能力に及ぼす影響因子を明らかにすることである。
【対象・方法】対象は、過去6年間で当院に大腿骨頸部骨折で入院し、術後理学療法を実施し退院に至った57名である。性別は男性14名、女性43名で平均年齢81.9歳(53歳~95歳)であった。骨折型は内側23名、外側34名で、術式は人工骨頭置換術20例、Compression hip screw(CHS)法29例、その他8例であった。調査項目は、年齢、性別、骨折型、術式、痴呆の有無、手術までの期間、理学療法開始までの期間とした。歩行能力に関しては、Brathel Indexを基に自立歩行、介助歩行、歩行不能に分類した。また、受傷前と退院時の歩行能力と比較して、歩行能力が維持できた群(維持群)、歩行能力が低下した群(低下群)に分け比較検討した。統計処理は、χ 2検定、Spearmamの順位相関を使用し、危険率5%未満をもって有意とした。
【結果】受傷前に自立歩行であった41例は、退院時に自立歩行26例、介助歩行12例、歩行不能3例であり、受傷前に介助歩行であった16例は介助歩行9例、歩行不能7例となった。以上より維持群は35例、低下群は22例であった。歩行能力の影響因子について、年齢は低下群で75歳以上の占める割合が多く有意差が認められた。性別は男性が維持群8例、低下群6例、女性が維持群27例、低下群16例で有意差は認められなかった。骨折型は内側骨折が維持群16例、低下群7例、外側骨折が維持群19例、低下群15例であり有意差は認められなかった。手術法は人工骨頭置換術とCHS法について検討し、人工骨頭置換術が維持群13例、低下群7例、CHS法が維持群16例、低下群13例で有意差は認められなかった。痴呆の有無は痴呆を合併した28例中、維持群11例、低下群17例、痴呆を合併しない29例中、維持群24例、低下群5例で有意差を認めた。手術までの期間は平均期間が維持群8.6日、低下群5.8日であり有意差は認めなかった。理学療法開始までの期間は平均期間が維持群6.3日、低下群7.3日であり有意差は認めなかった。
【考察】大腿骨頸部骨折後の歩行能力については諸家らの報告がある。今回、我々は当院における歩行能力に与える影響因子について検討した。その結果、年齢と痴呆の有無に相関を認めた。このことは、これまで報告されてきたものと一致する結果であった。手術までの期間や理学療法開始までの期間において相関を認めなかったことは、双方ともに理学療法を比較的早期に実施したためであると考えられた。
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© 2005 日本理学療法士協会
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