理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 991
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骨・関節系理学療法
足底挿板の矢状面傾斜角度の違いが歩行に及ぼす影響
*青柳 秀城鈴木 正則小川 智美森島 健矢野 幸彦
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抄録
【目的】足底挿板療法は、アーチサポート、楔状足底挿板等の各種パッドを用いて足部各部に作用させ、主に歩行動作に対し変化を与えることを目的に行われている。左右の交互動作である歩行動作においては、動作の非対称は各部の非効率を生じさせ、様々な2次的障害をもたらすことが考えられる。本研究は、足底板による片側足底全体の矢状面上の傾斜が、歩行において歩幅や体軸の回旋運動に対しどのような影響をもたらすのかを調査することを目的に行った。
【方法】対象は健常男性成人10名(平均年齢30.0±4.5歳)とした。足底挿板は右足に対し後方楔状(足底の前傾を強制)、傾斜なし、前方楔状(足底の後傾を強制)の3条件とした。素材はEVAを用い、足底の形状に切断したものに先端と後端の高低差が1cmとなるように傾斜を与え、前足部と後足部のバンドによりサンダル様に履くタイプのものを作成した。踵接地時に脚長差が生じることへの影響を考慮し、左足には1cm厚で傾斜のないタイプのものを装着した。歩行の計測は3条件の足底挿板を装着してそれぞれ3試行ずつ行い、三次元動作解析装置(Motus、PEAK社)による解析を行った。歩行速度は各自の歩きやすい速度とした。測定項目は歩幅、体幹回旋角度(水平面上)、骨盤回旋角度(水平面上)及び大腿骨最大傾斜角度(矢状面上:前方及び後方傾斜)とした。
【結果および考察】試行回数の要因と足底挿板の傾斜角度の要因を主効果とする分散分析を行った。左から右への歩幅に関しては、足底挿板の主効果は有意ではなかったが、前方楔状に対し、傾斜なし及び後方楔状において増大する傾向がみられた(p<0.1)。大腿骨前方傾斜において足底挿板の有意な主効果が認められ(p<0.01)、下位検定の結果、前方楔状及び傾斜なしに対し、後方楔状においてそれぞれ増大がみられた(それぞれp<0.01)。大腿骨後方傾斜において足底挿板の有意な主効果が認められ(p<0.01)、下位検定の結果、前方楔状及び傾斜なしに対し、後方楔状においてそれぞれ減少がみられた(それぞれp<0.01、p<0.05)。
 足底挿板による矢状面上の足底傾斜に対し、傾斜を与えた側の大腿骨傾斜角度に変化がみられ、同側を立脚側とした時の反対側への歩幅にも変化の傾向がみられた。骨盤・体幹の回旋、及び傾斜を与えない側の大腿骨傾斜角度については変化が認められなかった。
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© 2005 日本理学療法士協会
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