理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 1014
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骨・関節系理学療法
特発性側弯症患者に対する長期運動療法の有効性
*渡辺 学桑原 慶太山田 美加子小川 暁子松永 篤彦
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キーワード: 側弯症, 運動療法, 長期効果
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抄録
【目的】構築性側弯症に対する運動療法は、保存療法の一環として側弯角度(Cobb角)が10~40度の軽度側弯例に対して可及的矯正と進行防止を目的に行われている。しかし、対象者の多くが修学期であるために外来followが難しく、運動療法の効果に関して未だ不明な点が多い。今回我々は外来followが可能であった側弯患者のCobb角の変化を経時的に評価し、運動療法の継続とその効果について検討したので報告する。
【対象】当院にて1989年4月から2004年3月31日までに整形外科で特発性側弯症と診断され当リハビリテーションセンターで6ヶ月以上外来follow可能であった20例を対象とした。内訳は男子1例、女子19例、開始年齢は平均11.2歳(9~16歳)、開始時Cobb角は平均12.2度、外来follow期間は平均26.2ヶ月(6~67ヶ月)であった。なお、除外基準はCobb角40度以上および装具療法加療症例とした。
【方法】測定項目は年齢、性別、骨年齢指標(Risser sign)、体幹X線前後像より得られたCobb角および運動継続状況とした。運動療法の効果の判定基準はCobb角が5度以上減少したものを改善、5度以上増加したものを悪化、その他を不変とした。運動療法は在宅で可能な体幹のストレッチと腹筋および背筋の筋力トレーニングを週3以上行うよう指導し、外来follow時に指導内容が適切に行われているかを確認した。解析方法は、外来follow開始から本研究による評価まで継続できたものを継続群、途中で中止あるいは全く行わなかったものを非継続群の2群にわけ、各測定項目結果を比較した。さらに、非継続群のうち途中で中止した時点を基準に運動療法開始前(A)、運動療法介入(B)、運動療法中止(A)としたシングルケースデザイン法を適用して、運動療法介入による効果を個々に検討した。
【結果と考察】運動療法継続群は9名、非継続群は11名であった。年齢、性別およびRisser signに両群間で有意な差を認めなかった。継続群の継続期間は12ヶ月以上7例、24ヶ月以上4例であった。一方、非継続群では12ヶ月まで継続した症例は5例で、24ヶ月では全例が運動を中断しており、2年以上の運動継続が困難であることが認められた。本研究における最新のCobb角と運動療法開始前の変化については継続群では改善3例、不変6例である対して、非継続群では不変10例、悪化1例と両群間に差を認め(P<0.05)、運動療法継続の効果が認められた。さらに、非継続群のうち3例は、運動継続している期間(B)は運動を実施していない期間(A)に比べて、Cobb角は明らかに低下しており、運動療法の有効性が認められた。なお、改善した3例のうち2例は24ヶ月以上運動を継続しており、長期的な運動継続が重要であることが示唆された。
【結論】側弯症に運動療法は運動の継続とその期間が重要な要因となることが示唆された。
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© 2005 日本理学療法士協会
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