理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 1183
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内部障害系理学療法
運動負荷における筋電図学的作業閾値の有酸素性作業閾値との関連性について
*花房 祐輔, 浦川 宰, 秦 和文, 藤野 雄次, 樋田 あゆみ, 舌 正史, 牧田 茂, 間嶋 満
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抄録
【はじめに】自転車エルゴメーターによる漸増運動負荷を行う際,主働作筋における筋積分値が負荷量の増加に伴う直線的な増加を示さず,非直線的な増加を示す現象がいくつか報告され,その変曲点はIEMGT(Integrated Electromyogram Threshold)と呼ばれている。このIEMGTは換気性作業閾値(VT)と有意な相関関係にあるといわれており,有酸素性作業閾値の新しい決定因子として期待されている。従来IEMGT出現の原因として,負荷量増加に伴い,筋力発揮を司る筋線維タイプが変化することなどが考えられているが,換気系因子といかなる関連があるかについては明確な見解は得られていない。本研究では, IEMGTが運動負荷試験にて一般的に求められる換気性作業閾値(VT),乳酸性作業閾値(LT)の各指標との関係について検討することを目的とした。
【対象および方法】対象は健常男性5名とした。運動負荷は自転車エルゴメーター(ERGOMETER 232CXL,コンビ社製)による症候限界性のramp負荷(20W/min)を行い,大腿直筋の表面筋電図記録を行った。記録にはME6000T8(Mega Electronics社製)を用い,大腿直筋を被検筋とした。得られた筋放電量から30sec毎に5回転分の積分筋電値を求め,さらに単位時間当たりの積分筋電値を算出し,これを平均積分値とした。次に平均積分値が非直線的に増加する時点を,時系列にプロットした平均積分値から回帰分析により変曲点として検出し,これをIEMGTとした。呼気ガス分析にはAE-300(ミナト医科学社製)を用いてbreath by breathにてサンプリングし,V-slope法にてVTを算出した。乳酸性作業閾値(Lactate Threshold; LT)は,運動負荷開始から1分毎に耳朶より血液を採取し,ラクテートプロ(アークレイ社製)にて測定した血中乳酸値を用いて検出した。
【結果および考察】IEMGT,LTおよびVTにおける体重当たりの酸素摂取量(VO2/W)については,各々20.62±5.28,21.2±4.22,17.94±2.68ml/kg/minとの結果を示し,統計学的に有意な差は認められなかった。この結果から,IEMGTが換気性指標,生化学的指標と関連性を持っていることが示唆された。運動により筋内の酸素供給が相対的に低下し,疲労物質の蓄積することで筋内pHの低下が引き起こされる。この際,筋細胞膜興奮性が変調され,筋小胞体からのカルシウムイオンの放出を直接抑制して筋張力の低下をもたらすといわれている。本研究においてもLTに類似する点でIEMGTが得られたことから,筋内pHの低下により筋放電量に影響を与える可能性が示唆された。
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© 2005 日本理学療法士協会
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