理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 1184
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内部障害系理学療法
骨髄移植前患者の運動機能について
*川崎 桂子, 高橋 友明, 畑 幸彦, 青木 幹昌, 唐澤 達典, 矢貴 秀雄
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抄録
【はじめに】
 骨髄移植前後では,病態による全身状態の低下や治療による副作用で臥床傾向が多くなり,筋力低下や持久力低下を生じ,日常生活動作が著明に低下する傾向にある.そのため,当院では平成16年3月から骨髄移植患者に対して術前からの理学療法を施行している.
 今回われわれは,骨髄移植施行前の運動療法の効果を調べる目的で,日常生活動作を基本とした下肢筋力テストである30秒椅子立ち上がりテスト(以下CS-30テスト)と全身持久力テストである6分間歩行テスト(以下6MDテスト)を行い,健常者と比較検討したので報告する.
【対象】
 対象は,当院において骨髄移植施行前の患者6名(以下B群)と比較対照群として身体に障害のない健常者8名(以下N群)とした.検査時平均年齢は,B群42歳(29歳~52歳),N群42歳(29歳~54歳)であった.男女の内訳は,B群は男性2名,女性4名,N群は男性5名,女性3名であった.
【方法】
 2群に対して,まずCS-30テストを実施し,5分の休憩の後に6MDテストを行った.B群においては,骨髄移植の2週間前に測定した.
 CS-30テストについては,腕を胸の前で組み合わせ40cmの椅子に座り,30秒間立ち上がりを繰り返し,30秒間に立ち上がれた回数を測定した.
 6MDテストについては,片道25mの直線コースを通常の速度で往復歩行し,6分間の連続歩行距離を測定した.
 それぞれの結果について2群間で有意差検定を行った.
【結果】
 CS-30テストにおいては,B群は平均14.2回±2.6回,N群は平均30.4回±9.1回で,B群はN群より有意に低下していた(P<0.05).
 6MDテストにおいては,B群は平均415.3m±63.1m,N群は平均621.3m±79.8mで,B群はN群より有意に低下していた(P<0.05).
【考察】
 今回の結果から,骨髄移植前において下肢筋力低下や全身持久力の低下があることが分かった.それらの原因としては,疾患自体の影響や化学療法による全身状態の悪化から臥床傾向が多くなり,その結果として起き上がりや歩行など活動性の低下につながったと考えられる.したがって,骨髄移植後の早期退院・早期社会復帰を目指すためには,移植前から筋力および持久力の向上を目指したプログラムが必要であることが示唆された.
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© 2005 日本理学療法士協会
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