理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 1209
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内部障害系理学療法
脳卒中片麻痺者の非麻痺側の反復スピードについて
*斉藤 琴子吉村 茂和丸山 仁司根岸 志帆
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キーワード: 脳卒中, 非麻痺側,, 敏捷性
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抄録
【目的】一側大脳半球障害による脳卒中片麻痺者の非麻痺側は,腱反射の異常,筋力低下を示し健常者と異なる可能性のあることが指摘されている。片麻痺者の日常生活活動,歩行能力を向上させるために麻痺側だけでなく,非麻痺側の運動機能も重要である。非麻痺側の運動能力には,敏捷性,筋力,協調性などがあるが,これらの中で敏捷性は廃用性による影響が少ないと考えられる。今回,敏捷性の指標として上肢を反復させるタッピング,下肢を反復させるステッピングから,脳卒中片麻痺者の非麻痺側への影響について検討した。

【対象】対象は脳卒中左片麻痺者群(Br.stageIII,発症後経過日数131.3±41.8日)男性7名(平均年齢53.3±10.8歳),地域在住の健常中高年者群男性7名(平均年齢59.9±2.6歳),であった。全員利き手は右であった。

【方法】測定項目は非麻痺側のタッピング,ステッピングとした。タッピングの課題は坐位にて肘関節屈曲90°とし,手関節の掌背屈でボタンスイッチを出来るだけ早く押すこととした。ステッピングの課題は坐位にて足底(靴底)にフットスイッチを付け、できるだけ速くステッピングすることとした。スイッチがONになった時点から次のONになるまでの間隔を1叩打間とした。スイッチからの信号はA/D変換器(Keyence NR2000)を介し,サンプリング周波数1kHzでコンピュータに入力し,最大速度で行った50回のうち定常状態となった中間の30回を採用し,1叩打間隔の平均値及び標準偏差をMATLAB(MathWork)を用い解析及び計算した。この平均値を最大タッピング及び最大ステッピングとした。全ての対象者に対しインフォームドコンセントを行い,同意を得た後に実施した。統計処理は、群間に対しては対応のないt検定,上下肢の比較は対応のあるt検定を用い危険率5%とした。

【結果】片麻痺者群の最大タッピングは166.4 ±12.4 ms,最大ステッピングは221.2±31.0msであった。健常者群の最大タッピングは 147.0±14.8ms,最大ステッピングは158.4±48.6msであった。 片麻痺者群と中高年者群の2群において最大タッピング,最大ステッピングともに有意差がみられた。片麻痺者群において最大タッピングと最大ステッピングでは有意差がみられたが,中高年者においては認められなかった。

【考察】片麻痺者の非麻痺側の反復スピードの低下,つまり敏捷性の低下がみられたことは,麻痺側のみならず非麻痺側へ何らかの影響を認めるものである。これについては非損傷半球自体の血流低下及び抑制の影響などが考えられる。片麻痺者群の非麻痺側上肢に比較して下肢の敏捷性が低下していたことは,運動性下行路の同側支配線維(非交差線維)の比率,非損傷半球の機能抑制,意識及び覚醒などが影響するものと考えられる。
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© 2005 日本理学療法士協会
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