2019 年 57 巻 2 号 p. 150-166
本稿では,筆者による近年の研究と調査を踏まえて,乳幼児教育・保育システム(システムの変化,幼児園の教育・保育活動),保育者養成改革(養成システム,養成課程開発),教育・保育の質向上の取り組み(教育・保育研究活動による質向上の歩み,新しい教育実践の創出)に焦点を当てて,1978 年~ 2018年までの40 年間の改革の歩みを振り返り,中国における乳幼児教育・保育改革の全体像を明らかにした。その上に,今後の課題としては,3 歳以上の幼児の就学前教育の普及,保育者養成の質と量の保障,3 歳未満児の保育・教育システム作りと3 歳未満児担任保育者の養成が指摘された。