理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 89
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教育・管理系理学療法
管理者における臨床実習指導者への関わりについての一考察
―二人の新人スーパーバイザー指導を通じて―
*鈴木 靖夫
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抄録
【はじめに】当科では、平成16年度の臨床実習指導業務に関して、実習指導の責任者(以下SV)を臨床経験4年目と6年目の理学療法士が担当することとなった。2名とも今までSV経験はなく、リハ部門管理者(以下管理者)がSVに助言する形式で実習指導に臨んだ。今回、管理者による統括的な実習指導のありかたについて考察を述べる。
【実習開始までの準備】養成校での臨床実習指導者会議へSVと管理者の2名で出席し、また会議へ参加できない場合でも、養成校教員の事前訪問時に管理者とSVが同席して実習に対する養成校側からの意見確認に努めた。学校側からの実習要項の確認のみに留めず、科内実習要項およびスケジュール表を各実習時期別にSVが作成するよう指導した。主体性をもって実習に挑むことを目的に、要項およびスケジュール表をリハ科スタッフ全員に配布しSVからその内容について説明を実施するよう指示した。
【実習中におけるSVへの関わりについて】管理者への確認事項あるいは取り決め事として(1)学生担当症例はSVの担当症例とし、担当数を増やす際に管理者へ確認し、適した症例が見つからない場合は、SVから他のPTにケースバイザーとして依頼すること(2)デイリーノートは関わったPTにそのつど提示して意見を求められるようにSVが配慮すること(3)学生指導の際、口頭だけでなく可能な限り文献を提示し説明すること(4)実習評価表の記入はSVが責任をもって記入し、合否判定に関しては管理者に確認を求めることの4点を挙げた。管理者は、SVが提示した実習スケジュールについて、学生の能力に相応するものかどうかに留意し、そのつど調整を行うよう助言した。また、学生への指導量・課題内容に過不足がないか(多すぎないか)に留意、助言した。約8週間の実習期間中に、中間評価および最終評価としてPTスタッフ全員で意見交換を行った。中間評価時の概要を紙面に記載し、養成校教員の実習訪問時に提示しスムーズに報告が行えるように指示した。
【実習後について】実習終了後は、1週間以内に実習指導に関しての感想文を管理者に提出し、管理者側からコメントを付け加えSVに提示後保管するよう指示した。感想文より、SVは実習指導を通じての成長が伺われた。
【考察】学生指導の際、SVが熱意を持ってとりくむにも関わらず学生がそれに十分応じられなくなり、双方がジレンマに陥るといった場面は少なからず経験する。昨今、臨床実習指導に関する報告において、学校側だけでなく受け入れ側の問題も指摘されており、管理者の役割として、第3者的に実習の推移を見守り、学生とSV双方が本来持っている能力を発揮しやすい環境を整え、実習が円滑に行われるよう配慮することが必要であると考える。また、学生だけでなくスタッフ自身の教育的な側面を持たせることが大切であると考える。
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© 2005 日本理学療法士協会
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