主催: 社団法人日本理学療法士協会
【目的】ヒトにおける静的な姿勢制御には、固有受容器からの情報だけでなく、視覚からの情報も大きな役割を持つ。脳卒中患者でも立位姿勢保持の障害が見られるが、その評価やリハビリテーションにおいても視覚条件の検討が必要である。前回の第40回日本理学療法学術大会にて、ビデオ提示した動画が脳卒中患者の立位姿勢にどのように影響を与えるかを検討した。今学術大会では、重心動揺の継時的な変化について検討した。
【方法】被検者は、室内歩行以上の移動能力があり、著名な高次脳機能のない脳卒中患者5名(平均年齢56±13才)健常者3名(平均年齢48±7才)である。データを取る際に、被検者に対して、事前に研究内容を説明し、承諾を得てから実施した。方法は、重心動揺計(アニマG5500)の上に立位姿勢を保持してもらい、被検者の眼前60cm前方にスクリーンを設置しビデオ映像をスクリ-ンの背後から投影した。ビデオ映像は開始時静止画、歩行、走行、終了時静止画の4つの課題であり各々20秒間である。歩行・走行のビデオは前方10mの距離から被検者の眼前へ歩く(走る)のが録画されている。被検者には心理的不案を軽減するため事前にビデオ内容を確認してもらった。
【結果・まとめ】健常者と比較し、脳卒中片麻痺患者では、歩行・走行で重心移動の変化が大きく、それに伴い時間的な差についても違いが見られた。