理学療法学Supplement
Vol.33 Suppl. No.2 (第41回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 152
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骨・関節系理学療法
大腿骨頚部骨折術後の全荷重量可能時期と杖歩行獲得の関係
*南本 浩之東村 隆宮下 智安村 建介
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抄録
【目的】
 近年、大腿骨頚部骨折術後の患肢には早期荷重が指示されることが多い。しかし全荷重可能になる日とその後の歩行能力やADLに及ぼす影響についての報告は少ない。疼痛自制内での全荷重が可能になることは、歩行の安定と大きく関係があると思われるため、今回、我々は患肢全荷重が可能になる期間が、杖歩行獲得へどう影響するのかを検討し、興味ある知見が得られたので報告する。
【対象と方法】
 対象は、受傷前にADLが自立しており、麻痺のない大腿骨頚部骨折術後患者9例。男性2例、女性7例、平均年齢73.4±9.2才であった。術式は、非セメント型の人工骨頭置換術で、術後翌日より理学療法を開始し、疼痛自制内において、できるだけ荷重を指示し、荷重についての制限は行わなかった。全荷重可能日の判断は、平行棒内に体重計を2台置いて5回計測し、その全てにおいて全荷重をかけられた日を可能日とした。また杖歩行自立日は、100mを独力で歩行可能になった日とした。全荷重が可能になった期間が杖歩行自立期間に及ぼす影響を平均と相関関係で検討し、有意水準は5%とした。
【結果】
1)全荷重可能になった期間は、18.1±12.6日を要した。また杖歩行自立になるまでの期間は、23.0±14.4日を要した。
2)全荷重の可能になった期間と杖歩行自立になった期間の関係は、r=0.88(p<0.05)であり、有意な相関関係が認められた。
【考察】
 本研究の結果は、患肢に全荷重が可能になる期間が、杖歩行の獲得に大きく影響することを示唆している。全荷重の可能になった期間と杖歩行自立になった期間の関係に有意な相関関係が認められ、そこで示された回帰式から、杖歩行の自立を予測するには、全荷重可能までの日数から平均で5日前後には可能になると考えることができる。しかし全荷重が可能になるまでには患者により差があり、その原因のほとんどが、荷重痛であった。本研究の結果からも、全荷重可能になる期間をいかに短縮していくかが、重要であると考えられる。今後は、症例数を増やすとともに治療方法を再検討し、より詳細な検討を行っていきたい。
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© 2006 日本理学療法士協会
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