理学療法学Supplement
Vol.35 Suppl. No.2 (第43回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 669
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神経系理学療法
当園におけるHart Walkerの適応の検討
小山 久仁子, 入江 和隆
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キーワード: Hart Walker, 歩行, 適応
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抄録
【はじめに】Hart Walker(以下HW)は1989年に英国のDavid Hart氏が開発した歩行器で、ブレース部分と4輪台車で構成される。利点として調整箇所が多く使用者の状態にあわせてHWを調整し効率のよい立位・歩行へ導けること、両手が自由に使えること、成長対応により1台を長期間使えること等が挙げられる。しかし、適合した状態に調整するために多くの知識が必要となる。現在、国内で約200台使用されているHWの適合に関わっている理学療法士(以下PT)はまだ少なく、事例報告もほとんどないのが現状である。
【目的】当園では2006年1月から2007年10月までに外来患者5名にHWを導入した。その5例について導入時の状況と目的をまとめ、HWの適応を見極める際の参考にしたい。
【方法】当園が関わったHW使用者の公費申請時の基準外申請理由書と診療記録をもとに、使用開始時の状況と目的に焦点をあて分析する。使用者は脳性まひ(ABC)、先天性筋ジストロフィー(D)、脊髄腫瘍除去術後の対麻痺(E)で、使用開始年齢は2歳7ヶ月~9歳11ヶ月(平均6歳7ヶ月)である。
【結果】使用開始時の状況:他の歩行器使用で歩行していた者ABE(Aは要監視)、床での移動可能者ABDE(四つ這いABE、いざりD)、座位保持可能者ABDE(Dは起き上がりは要介助)。5名に共通していたのはPTの介助歩行で交互性のあるステップをだせたことである。初回のHW調整後には、C、D、Eは独力で数歩のステップがだせ、A、Bについては直進移動では実用的な歩行可能な状況であった。
導入の目的:5名に共通するのは、自立した立位・歩行の経験と学習、立位での上肢での活動による生活体験の拡大である。他に反張膝予防BCE、上肢の活動による上部体幹伸展の促通ACD、上肢や体幹の代償運動の制限による下肢交互運動の促通ABE、下肢の伸展補助(屈曲拘縮予防)ADが挙げられた。
【考察】使用開始時に座位がとれず、全く移動手段をもたない症例でもHWを使用した歩行が可能だった。また、全員が免荷しての介助歩行時に交互性のあるステップが可能だったことはHWの適応と関連すると考えられる。HWではジョイントとゴムひもとサスペンション等の調整により荷重量と下肢の運動を細かくコントロールできる。その機構により他の歩行器では実現しにくい代償運動の制限や関節の保護、下肢の伸展補助という効果も期待できるため、それらも導入時の目的として挙げられた。
【まとめ】HWは構造も調整機構も他の歩行器とは異なる特徴を持っているため、様々な症例に適応の可能性がある。当園でHWを導入した症例は、1~2回目の調整で独力でのステップをだすことができる状況にあった。しかし、年単位で使用していくうちに変化がありHWを使用した歩行が可能になったという症例も他では報告されている。以上のことを踏まえ、導入にあたっての予後を含めた適応をさらに明確にするための検討が必要であると考える。
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© 2008 日本理学療法士協会
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