理学療法学Supplement
Vol.35 Suppl. No.2 (第43回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 668
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神経系理学療法
重症心身障害児(者)に対する日常生活場面での「姿勢ケア」を実践して
日常生活を対称的姿勢で過ごすことの重要性
根藤 竜太郎, 小林 晴美, 山口 敦子, 勝野 恵
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抄録
【はじめに】
重症心身障害児(者)の身体の変形進行予防の為には、理学療法場面での介入のみでなく、日常生活場面における「姿勢ケア」が重要である。また身体変形の経年的な定量的評価の必要性から、Goldsmithらが考案したGoldsmith Indexや胸郭の厚さ/幅比率を用いた身体変形評価についての報告が多く見られている。今回、日常的な非対称的姿勢・運動の繰り返しが原因で体幹・下肢の変形を進行させていた1症例に対し、日中生活空間にて対称的な背臥位姿勢でのポジショニング介入を実施し、定量的評価(Goldsmith Index、胸郭の厚さ/幅比率)にて改善がみられたので、ここに報告する。
【症例紹介】
21歳女性。診断名:脳性麻痺、てんかん。改定大島の分類:1A。GMFCS:レベル5。Chailey姿勢能力発達レベル:背臥位・腹臥位2、他は1。脊柱右凸変形:cobb角72度(Th10-L5)(H15年)。右股関節脱臼有。日常的な姿勢:背臥位・腹臥位ともに、左体幹部を強く短縮させ、両下肢が左に倒れた風に吹かれた股関節変形を呈した非対称姿勢。随意性の高い左上肢にて左下肢を引っ張り上げてしまうため上記姿勢を更に強めた非対称姿勢をとり続けていた。日中は背臥位、夜間睡眠時は腹臥位で過ごすため、1日のうち約22時間を非対称的な姿勢で過ごしていた。
【方法】
ポジショニング方法は、体幹・骨盤両側に沿って高さ15cmの壁を設け、両下肢が左へ倒れないように1肢ずつ支えられる膝窩クッションを用い、体幹・骨盤の回旋モーメントを修正した状態での背臥位姿勢を取り極力非対称な姿勢をとらないように配慮した。その姿勢を、食事時間を除く日中活動時約10時間、H19.7.27~11.1の約3ヶ月間実施した。介入前・後でGoldsmith Index及び胸郭の厚さ/幅の比を計測し数値の変化を検証した。
【結果】
Goldsmith Indexは、H 18.7月の計測開始時は71.6、その後今回介入前H19.5月には79.0と、非介入時期では悪化していたのに対し、介入後H19.11月の計測時には52.75と、26.25の改善がみられた。胸郭の厚さ/幅の比は、介入前H19.5月の計測時は、0.55であったのに対し介入後H19.11月には0.56と、僅かではあるが胸郭扁平化の減少がみられた。
【考察・まとめ】
1日のうち約90%を強い非対称的な臥位姿勢で過ごさざるを得なかった本症例だが、今回の対称的な臥位姿勢保持環境の提供により、1日の非対称臥位で過ごす時間が約58%に減少、その結果約3ヶ月間の介入で下肢・体幹の非対称変形を示す計測数値の改善が見られた。身体の変形進行予防に対する介入を実施していく上で、生活の中で対称的な姿勢を保持できる姿勢環境・時間(期間)を提供することの重要性と、介入結果を判定していくための縦断的な定量的評価の必要性、が改めて確認された。
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© 2008 日本理学療法士協会
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