理学療法学Supplement
Vol.36 Suppl. No.2 (第44回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: P2-547
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内部障害系理学療法
電子式ピークフローメーターの利点とその精度
伊藤 秀隆鈴木 典子山口 倫直井上 登太
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抄録
【はじめに】リハビリ指導において定期的な評価が必要であり、定量的なものが望ましい.慢性閉塞性肺疾患や気管支喘息を中心とした呼吸不全症例に対しての呼吸リハビリテーション指導時に客観的評価としてピークフローと一秒量は重要な評価項目である.電子式ピークフローメーターPIKOR-1は一度の努力呼気によりピークフローと一秒量を測定する機器である.多くのピークフローメーターはスプリングバネを使用した機械式が使用され、ピークフローメーター本体の抵抗と周波数の違いにより測定誤差を生じやすい特性も持つ.
【目的】
呼吸機能評価において、電子式ピークフローメーターPIKOR-1の機械的精度及び臨床的使用感を呼吸器外来受診者224名を対象にスパイロメーター、機械式ピークフローメーターの測定値との比較評価をおこなった.
【結果】
ピークフローは機械式ピークフローメーターと58.6l/min、スパイロメーターと63.1l/min低い値を示したが、それぞれ相関係数(rs)=0.914、0.701と高い相関を示した.一秒量においてもスパイロメーターに比べ0.31lの低値とrs=0.759の高い相関を示した.PIKOR-1は目視しやすいモニターを備え、不適切な測定時のアラーム機能を備え、軽量でありその結果、高齢者においても高い測定精度を示した.
【考察】
電子スパイロメーターPIKO-1は簡便に測定でき、持ち運び容易な精度の高い機器であり、喘息管理のみならず、呼吸リハビリテーション指導時の一秒率測定による指導内容決定などのベッドサイドにおける簡便な呼吸機能評価が可能であり、様々な職種における使用の促進を望みたい.
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© 2009 日本理学療法士協会
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