理学療法学Supplement
Vol.39 Suppl. No.2 (第47回日本理学療法学術大会 抄録集)
会議情報

テーマ演題 ポスター
小中学校に通う肢体不自由児の障害スポーツ活動支援の取り組み
中島 大輔
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. Bd1464

詳細
抄録
【はじめに、目的】 通常学級あるいは特別支援学級に通う肢体不自由のある小中学生は、障害のない同級生と同等にスポーツ活動を行うことは困難であり、体育、体育系の部活動、放課後や土日の遊び等におけるスポーツ活動への参加制約を受ける。スポーツ活動へのニーズがある肢体不自由児にとって障害スポーツがその参加の場になるが、障害スポーツの導入と活動支援は充足されていない現状にある。今回、肢体不自由のある小中学生の交流の場の提供と余暇活動支援を目的に、障害スポーツ活動のサークル(以下POP)の立ち上げと活動支援を行い、その実績と課題をここに報告する。【方法】 当センターでは、平成15年から通常学級に通う肢体不自由のある小中学生を対象に年1回の交流会を開催してきた。平成21年からは、参加の場の拡充のため、交流会以外にボーリングや映画鑑賞など参加児が企画から実施まで関わる活動も導入した。その活動の中で、2名の肢体不自由児から障害スポーツ活動への参加の希望があり、平成22年12月から障害スポーツ大会への参加を目標に活動を開始した。平成23年より、障害スポーツ活動について余暇活動の拡充を目標に、サークル化して障害スポーツ活動を行った。【倫理的配慮、説明と同意】 POPの参加児とその保護者に活動報告の目的を口頭で説明し、参加者全員からの同意を得た。【結果】 1.POP設立までの過程は次のとおりである。1)平成22年12月より、障害スポーツを3回実施。平成23年2月にスポーツ大会へ出場した。2)平成23年4月より、肢体不自由のある中学生を代表として、サークルの名称を決め、チラシを作成した。2.POP活動実績は次のとおりである。1)頻度:月1回1時間~1時間半、2)参加児:通常学級あるいは特別支援学級に通う肢体不自由6名、3)診断名:脳性麻痺2名、二分脊椎2名、VATER症候群1名、四肢欠損1名、4)平均年齢:12.2歳(10~14歳)、5)実施回数(H23.4~8):6回、6)のべ参加人数(H23.4~8):68名(本人22名、きょうだい児6名、保護者21名、ボランティア4名、PT・OT15名)、7)活動内容:卓球バレー、ボッチャ、ふうせんバレー、ボーリング。これらの活動の中で、参加児自身が審判をしたり、ボールを集めたりするなど、自ら他児の援助をする場面も見られた。また、PT・OTはスポーツの動作や姿勢を援助するだけでなく、参加児に対して外来リハビリの場面においてもスポーツ活動導入のためのプログラムを行った。それらの動作や姿勢への援助は、障害スポーツのルールや大会規定に準じるように情報収集も行っている。サークル活動前後には、新しい種目に抵抗がある児や勝敗にこだわる児に対して、PT・OTが介入することもあった。【考察】 通常学級あるいは特別支援学級に通う肢体不自由児は、スポーツ活動に対するニーズはあっても、それらの活動への参加制約を受けている。障害スポーツにおいては、肢体不自由児も参加の機会を得られるが、保護者、学校教員、および我々PTが障害スポーツの内容やその活動の場に対する情報と知識が乏しい現状にある。今回、スポーツ活動のニーズある中学生とともにサークル立ち上げを行い、その運営支援に携わった。これらの経緯は、単に活動の場を提供するだけではなく、肢体不自由のある小中学生自身がサークルの名称やチラシづくり等に関わることで、自ら考えて選択していく機会と経験を提供することも意図していた。また、活動実績については、現在の参加児6名はサークル開始後に保護者間の情報交換により徐々に増加している。これらの参加増加は、障害スポーツを行っているというだけでなく、PT・OTがサークルに入り、障害スポーツにおける動作や姿勢を参加児とともに検討していることも要因となっていると考える。月1回1時間~1時間半であるが、スポーツ活動の技術に向上が見られており、参加児に対してスポーツ大会の紹介をして大会出場に向けて練習をしている状況である。今後も、参加児ならびにスポーツ種目を拡充していきたい。【理学療法学研究としての意義】 肢体不自由のある小中学生は、障害のない同級生と同等にスポーツ活動を行うことは困難であり、参加の場を障害スポーツへ求めることとなる。その障害スポーツにおいて、参加の場を提供、スポーツ活動の動作、方法、および姿勢に対する援助について我々の果たすことができる役割が大きくあると考える。
著者関連情報
© 2012 公益社団法人 日本理学療法士協会
前の記事 次の記事
feedback
Top