理学療法学Supplement
Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: E-P-03
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ポスター発表
地域リハビリテーション(地域リハ)サービス提供者間における地域リハの範囲とチームアプローチ要件に関する認識の相違とその要因
盛田 寛明安原 教子小川 良子畑中 晴美
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抄録
【目的】本邦では,地域リハビリテーション(以下地域リハ)を適切に推進するため,地域リハサービス提供者(以下実務者)が緊密に連携しチームアプローチする必要性が20年来唱えられている。しかし,未だその連携が不十分なため支援を要する者が不利益を被る場面が指摘されている。この連携阻害要因の一つとして実務者間の意識のずれがある。我々は,1998年および介護保険施行後の2003年に実施した大規模調査により,実務者間で地域リハの認識に大きなずれがあり,その共通認識の欠如が改善していないことを指摘した。本研究ではその認識のずれをより明確化するため,実務者に対して地域リハの本来あるべき内容を記した啓発パンフレット(以下地域リハパンフレット)を作成・配布した上,地域リハの範囲およびチームアプローチ要件に関する実務者間の認識の相違を明らかにする。【方法】対象地域は,青森県内の地域リハ資源が不十分な1町1村(以下郡部)および同資源が十分な1市部(以下市部)であった。分析対象者は,郡部12職種160名,市部23職種280名の実務者であった。調査は訪問配票・郵送回収法にて実施した。対象者が,調査時に各自に配布した地域リハパンフレットを読んだ上,自記式質問紙に回答した。地域リハパンフレットに記載した項目は,範囲については各実務者の活動圏域において地域リハ活動となる社会資源を列記した。チームアプローチ要件については,実務者の教本および浜村ら,伊藤らの見解に基づいた13要件を記した。調査項目は,活動圏域において利用・提供できない,もしくは実施できない・実施していない,あるいは機能していない社会資源(以下機能していない社会資源)およびチームアプローチ要件(以下機能していない要件)を選択させた。また,それらの理由を自由回答で求めた。自由回答は,テキストデータ解析ソフトウエアにより構成要素変数をカテゴリー化・生成し,頻度による有意性テストにより5%水準で有意な回答を出力した。【倫理的配慮】本研究は青森県立保健大学研究倫理委員会の承認を得た。同倫理委員会の規程に基づき,対象施設および対象者に対しインフォームド・コンセントを行った上で調査を行った。【結果】回収率は郡部81.0%,市部63.0%であった。各社会資源あるいは要件毎に選択率をみると,機能していない社会資源について,全資源で0%であった職種は郡部2職種,市部3職種にとどまった。全社会資源を選択した職種は,郡部4職種,市部5職種であった。機能していない要件は,全資源で0%であった職種は郡部4職種,市部3職種のみであり,郡部4職種,市部2職種が全要件を選択した。社会資源,要件とも職種間で選択率の相違を認めた。機能していない理由として有意な回答は,社会資源では,郡部市部とも,分からない,自分の職種が関わる資源でない,当施設のサービス提供項目でない,事業所がないであった。他に郡部では自分が活動する圏域外であるが,市部では社会資源を把握していない,自身が所属する事業所にその部門がない,対象者が高齢であるため,連携の方策がない,所属する施設の方針のためなどが抽出された。要因では,郡部市部とも分からないが,市部ではケアマネジメント体制が不十分で確立されていない,スケジュールが施設の都合で決められており利用者に合わせていない,情報共有していない,個々人の判断で行っている,他職種に関して把握していない,情報の捉え方が異なるなどであった。【考察】結果から,地域リハ資源充実度の高低に関わらず,機能していない社会資源・要件があると認識している者が多く職種間でその割合に差異があることが明らかとなった。その理由として地域リハ本来の理念・定義・活動方針に反する内容が多かった。よって,地域リハの社会資源およびチームアプローチ要件について,実務者自身の自己啓発や実務者に対する啓発活動を推進する必要がある。この啓発活動を支援する機能の一つとして,地域リハビリテーション支援センターにおける研修会・講習会の積極的な開催が必要と考える。【理学療法学研究としての意義】本研究では,地域リハの範囲となる社会資源および地域リハ活動に必須となるチームアプローチ要件の内容や考え方の基準をパンフレットで示した上,それらの内容について実務者の認識欠如および実務者間の認識相違を具体的に把握できた。本パンフレットに記した内容は,実務者のテキストにも明記されており,地域リハ活動に携わる実務者は理解し修得する必要がある。本研究で示した阻害要因を是正する啓発活動等を推進することにより,実務者が地域リハの内容をより正確に認識でき,効果的な地域リハ活動の実施に寄与する可能性がある。
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© 2013 日本理学療法士協会
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