理学療法学Supplement
Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: E-P-03
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ポスター発表
愛知県西三河南部東医療圏における脳卒中地域連携パスのアウトカム分析
―FIM階層別脳卒中患者のプロファイル―
眞河 一裕小田 知矢小林 靖
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抄録
【はじめに】愛知県西三河南部東医療圏では2008年より脳卒中地域連携パスby SONEを稼働している。地域連携パスは、急性期病院と回復期病院との連携を図り、シームレスな医療を患者に提供する為の情報伝達ツールである。計画管理病院である当院は、年3回程度開催している岡崎シームレスケア研究会(以下SCONEの会)において地域連携パスのアウトカム分析の報告を行い医療圏内の病院及び施設との情報共有が出来るように努めている。今回、臨床場面に於いて多様性がある脳卒中患者の急性期病院におけるアウトカム指標を患者群に階層化し、その階層ごとの脳卒中患者のプロファイルを把握する。また、脳卒中リハビリテーション(以下リハビリ)治療の質向上を目的に当医療圏内における脳卒中患者の診療帰結を明らかにする。【対象・方法】2009年1月から2011年12月までの3年間に脳卒中地域連携パスby SCONEを適応した患者550名を対象とした。脳卒中地域連携パスby SCONEのデータはFile Maker Proを利用しており、本研究に必要な項目を抽出して後方視的に集計し行った。1、急性期病院転院時のFIM(Functional Independence Measure)を10点刻みで11群に分けて、患者がどの様に層別化されるか(回復期病院退院時FIM、SIAS、年齢、総在院日数がどの様に異なるか)検討した。2、その各群を回復期病院退院時FIM、SIAS、年齢、総在院日数の量的データを説明変数として群平均法でクラスター分析を行った。3、各階層での項目を統計処理して比較検討した。なお、統計方法は、各階層の項目をKruskal Wallis testで実施した。有意水準は0.01未満とした。【倫理的配慮、説明と同意】本研究はヘルシンキ宣言を遵守して、倫理的配慮に基づき行った。【結果】1、 急性期病院転院時FIMの得点を10点刻みで11群に分けると、患者数は、(63・57・56・55・58・36・34・56・59・53・23)であった。2、 クラスター分析の結果は、3階層(分類1)は、急性期病院転院時FIM(18点~57点、58点~87点、88点~126点)。4階層(分類2)(18点~37点、38点~57点、58点~87点、88点~126点)。5階層(分類3)(18点~37点、38点~57点、58点~87点、88点~117点、118点~126点)。6階層(分類4)(18点~27点、28点~37点、38点~57点、58点~87点、88点~117点、118点~126点)であった。FIM18点~27点では平均総在院日数は、141.1±56.7日、FIM18点~37点では142.3±53.3日、FIM28点~37点では、108.4±38.8日であった。3、 各階層の回復期病院退院時FIM・SIAS・年齢・総在院日数はいずれもKruskal Wallis testを用いた結果、p<0.01で群間に有意差を認めた。【考察】臨床場面に於いて多様性がある脳卒中患者のプロファイルを把握する事は難しい。しかし、脳卒中地域連携パスを利用してアウトカム分析を行った結果、当地域における脳卒中患者のプロファイルの傾向を把握する事が出来た。急性期退院時FIMが高値階層では天井効果が認められ、その影響から総在院日数は少なかった。逆に低値階層の場合は総在院日数が多い傾向を示した。低値階層と中間階層を細分化すれば総在院日数に違いを認めた。そのため、低値階層と中間階層は細分する必要がある。このプロファイルが回復期病院退院時の予後予測の一つの指標となれば、当地域における脳卒中リハビリ治療の方向性が明らかになると思われる。また、それと同時に転帰先の予測も可能になるのではないかと考えられた。急性期病院から一貫したリハビリ治療を提供する事で真のシームレスな医療を構築する事が可能となり更に脳卒中リハビリ治療の質の向上につながると思われた。病病連携から病診連携そして医療、介護間までの包括的な医療を構築できると考えられる。以上の事から脳卒中リハビリの質向上には、予後予想が必要である。当地域における脳卒中患者では、急性期病院退院時FIMで6階層もしくは5階層に細分化したグループに分ける事が妥当ではないかと考えられる。このグルーピングの予後予想は、患者及び家族が回復期病院への過大な期待を持っている場合にリハビリ効果の限界として示す一つのデータと成り得るものだと考えられる。多様性がある為、細かく階層化する必要はあるが、あまりに細分化する事により指標になり得なくなると考えられる。だからこそ、可能な限り大別する事が望ましい。今後は、確定要素である年齢及び認知機能が脳卒中患者のFIM利得に及ぼす影響を明らかにしていく必要性がある。【理学療法学研究としての意義】脳卒中地域医療連携パスのアウトカムデータを利用して患者群を階層化した事により、医療圏内における脳卒中患者のプロファイルを把握することができ、脳卒中リハビリ治療の質向上も期待できる。疫学研究における地域連携パスの2次的有効利用が必要である。
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© 2013 日本理学療法士協会
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