理学療法学Supplement
Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: C-P-43
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ポスター発表
バスケットボールチームにおける理学療法士のメディカルマネージメントについて
兼子 昌幸降旗 一樹相澤 充成田 哲也
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抄録
【はじめに、目的】2006年から2012年の6年間で、長野県内のバスケットボールチーム(以下チーム)に対しサポートする機会を得た。その活動は、理学療法士としてメディカルマネージメント(以下MM)を行うものであった。MMとは、チームや選手に対し、主に医療分野の管理を行う事である。今回は、その活動内容を検討し、今後の課題をまとめたので報告する。【方法】6年間でサポートを行ったのは、小学生のミニバスケットボール(以下ミニバス)が2チーム、中学校が2チーム、高校が2チーム、16歳以下の県代表(以下U-16)が2チーム、大学が1チーム、社会人のクラブ(以下クラブ)が8チーム、国体の県代表(以下国体)が2チーム、bjリーグのプロ(以下bj)が1チームで合計は20チームであり、選手は合計278名(男性162名、女性116名)であった。サポート内容は、障害予防指導、身体機能評価、コンディショニング調整、医療用品等の紹介、医師の派遣であった。【倫理的配慮、説明と同意】選手およびチームの関係者には、この活動で得られた情報を学術的研究に使用する事と、個人情報の取り扱いの安全性を十分説明した上で、協力する同意を得て行った。【結果】障害予防指導は、成長期や競技特有の外傷や障害について等の内容でミニバス、中学校、高校、U-16に対し行った。指導は選手のみでなく家族や関係者にも行った。身体機能評価は筋柔軟性、関節可動域測定、筋力測定、関節弛緩性および不安定性、アライメント、整形外科的テスト等を行った。ミニバス、中学校、高校では全選手に対して下肢伸展挙上角度、指床間距離、踵臀間距離、Thomasテストの筋柔軟性の評価を行った。U-16、大学、クラブ、国体、bjでは、対応した選手の症状や訴えに該当する機能評価を行った。コンディショニング調整はU-16、大学、クラブ、国体、bjに対して行い、テーピング、ストレッチング、マッサージ、関節可動域運動、筋力強化運動等を行った。その中でもテーピングを行う事が多く、部位では足部が多くなった。医療用品等の紹介はU-16とbjで行った。U-16ではサポーターを、bjではサポーター、装具、松葉杖、テーピング、物理療法器機の紹介を行った。またbjでは、リーグ戦のコートドクターの派遣要請を受け、該当する試合に対し医師の派遣および日程の調整を行った。【考察】理学療法士がチームや選手をサポートするには、チームの勝利と選手のパフォーマンス向上に努めなければならない。その為には、競技特性の把握、内的要因や外的要因による問題点の抽出、問題点に的確に対応する能力、パフォーマンス向上を引き出す能力が必要になる。また選手に対し包括的なアプローチを実践する能力、現場で起こる事象に対し迅速で正確に対応する能力が必要であると考える。今回、障害予防指導を関係者にも行った事で外傷等の理解を促すと共に、家族や養護教諭によって競技場面以外からも選手にアプローチする事ができるようになった。また身体機能評価で得た情報を指導者と共有し、内容について議論した際、指導者から選手の活動継続の可否について意見を求められる事が多かった。中には身体機能評価から医師の診察を促した所、疲労骨折が判明する事例もあり、理学療法士がチームに関わり、チームのMMを行う事は有用であると考える。クラブでは殆どのチームで指導者等の関係者が不在で、サポートした内容を選手に伝えるだけとなる事が多かった。そこで近年は報告書を作成し、関係者が不在の際には内容を記載し、選手に手渡すようにした。この報告書は、後日選手が医療機関を受診した際に、資料として利用できる物となっている。Bjからは医療用品の紹介、試合会場への医師派遣の要請も受けた。特にシーズン中の要請の場合は迅速な対応が求められた。スポーツの現場でサポートする際は、病院での臨床業務とは異なり、現場だからこそ起こる要望や要請がある。それに対し迅速かつ正確に対応する事がチームのMMとして重要となる。MMを行うには、知識や技術の研鑽の他に、多様な要望に対応する能力が必要となる。その為には、日々の臨床業務でも対象者の訴えや医師や上司の指示に対し、忠実かつ正確で、効率良く対応する事が重要となる。またMMは、臨床業務の応用を基にスポーツ現場での経験により行えるものであり、MMを行う事によってチームや選手の競技力向上に繋がるものでなければならないと考える。以上の事をふまえ、今後も引き続きサポートの質を高めるよう努めていきたいと考える。【理学療法学研究としての意義】この活動を通じ、選手や関係者に感謝すると共に、今後もスポーツ理学療法の発展の一助になればと考える。
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© 2013 日本理学療法士協会
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