理学療法学Supplement
Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: C-P-43
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ポスター発表
シッティングバレーボールにおける傷害特性に関するアンケート調査
富樫 俊文垣見 修平山内 智之脇田 洋平百瀬 友美鈴木 真莉子
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抄録
【はじめに、目的】シッティングバレーボール(以下、SV)はパラリンピックの正式種目にもなっているスポーツである。座ったまま競技するバレーボールであるため、国内では障害者に限らず健常者も競技している。しかし、傷害の特性を調査した報告は少なく、障害と傷害の関係も明らかにされていない。そこで今回、SV競技者の基礎情報、スポーツ活動状況、障害の有無・程度、傷害特性に関するアンケート調査により,SVの傷害特性を調査することを目的とした。【方法】2011年12月に日本シッティングバレーボール選手権大会に参加した健常者・障害者の計149名を対象に質問紙法による傷害特性に関するアンケート調査を実施した。設問数は全16問、アンケート方式は選択方式で実施した。内容は基礎情報、スポーツ実施状況、SVの参加レベル、障害の程度、SV歴、バレーボール歴、ポジション、アタック肢位、傷害の有無と部位とした。また、障害の有無と傷害の有無、アタック肢位と傷害部位、通常のバレーボールの経験の有無と傷害の有無、障害者の日常生活移動手段と傷害部位との関係について統計学的に検討した。統計学的解析にはPearsonのカイ2乗検定を用い、有意水準は5%未満とした【倫理的配慮、説明と同意】本調査の主旨を書面にて十に分説明し、無記名での調査で行い個人情報が特定されないように配慮した。【結果】アンケート調査の回収率は91.3%(136/149名)であった。回答者の年齢は37.9±11.1歳、性別は男67名、女69名であった。SV歴は7.7±5.2年、SVの実施状況は月に1~3回が38%、週に1~2回が45%であり、SV以外のスポーツの実施状況はほとんどやらないが44%であった。障害者の割合は34%であり、障害の内容は下肢切断が52%、変形性関節症が11%、末梢神経障害が9%であった。SVによる傷害の経験の有無はあるが47%、なしが53%であり、内訳は手が31%、肩が18%、腰が13%、膝が12%、首が11%、肘が6%、股が3%、足が6%であった。項目間の関係は障害の有無と傷害の有無において有意差(p<0.05)を認め、障害者は傷害発生率が高いこと傾向であった。アタック肢位と傷害部位は打つ側の手と膝の向きが同じ肢位と腰の傷害に有意差(p<0.05)を認め、肩の傷害ではどの肢位においても有意差を認めなかった。障害者の日常生活手段と傷害部位、バレーボール経験の有無と傷害の有無においても有意差は認められなかった。【考察】SVは坐位にて行われ、いざり動作にて移動するため、上肢・体幹の支持性が要求されるスポーツである。そのため、傷害部位では肩、腰にも高い傷害発生率を認めた。佐藤らのバレーボールの傷害特性に関する報告では膝関節は24%ともっとも多く、肩関節疾患は6%であり、通常のバレーボールとは傷害特性が異なることが推察される。一方で、SVは坐位で行われる競技にもかかわらず下肢にも傷害を認め、下肢の傷害予防にも介入の必要性が推測される。SVによる腰部疾患はアタック肢位による違いは影響していることが特徴として挙げられる。打つ側の手と膝の向きが同じ姿勢では下肢のエネルギーを利用しづらく、腰部での回旋による仕事量が増えることが影響していることが推測される。アタック肢位と下肢エネルギーを考慮したアタック方法の指導も傷害予防に有用であると考える。障害者の特徴は下肢切断が半数を占め、脊髄損傷などの両下肢麻痺の競技者は見られなかった。坐位での競技であるため知覚障害により殿部の褥創等の危険性が高いためと推察される。項目間の関係性の結果より障害害は健常者と比べ傷害を起こしやすいことがわかった。とくに障害者に対するケアの必要性が推測される。【理学療法学研究としての意義】 SVに対して傷害予防的介入はほとんどされておらず、今後、SVにおけるスポーツ外傷・障害の予防法の確立や減少のための基礎データーとして有用である。
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© 2013 日本理学療法士協会
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