理学療法学Supplement
Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: G-P-11
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ポスター発表
訪問業務に関わる諸問題
リスク管理委員会の活動報告第2報
川口 陽平
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抄録
【目的】当社は平成17年9月から品質マニュアルISO9001:2000を発行し、その規格に基づく品質マネジメントシステムを確立し、文章化・維持してきた。またその有効性を改善しつつ維持してきた。在宅リハビリテーションにおいては、スタッフが一人で訪問するため、他の職員とリスクコミュニケーションが取りにくい一方、高いリスク管理能力が求められる。そこで、平成19年からリスクマネジメントを組織的に確立するためリスク管理委員会が設置した。本報告では、リスク管理委員会の活動が訪問業務に携わる職員のリスク管理意識にどのような影響を与えているかを調査した。【方法】平成21年8月から平成24年7月の3年間の事故、ヒヤリハット報告をうち、21年9月、22年3月9月、23年3月9月、24年2月と計6回、定例的におこなってきたヒヤリハット強化月間の前月(以下、強化前月)とヒヤリハット強化月間の月(以下、強化月)での報告件数の変化を調査した。各年により母体数である総訪問件数に差があるため、強化前月を100%とし、強化月の変化率を調査した。また、24年1月ヒヤリハット報告書の書式の簡易化を行い、その前後でのヒヤリハット報告件数を比較した。【倫理的配慮、説明と同意】個人情報の保護に関する法律その他の法令・ガイドライン等を遵守すると共に、本基本方針を定めており、ヒヤリハット報告書には、個人が特定できないようにイニシャルにての報告としている。【結果】ヒヤリハット報告数の変化率は、平均31%であり、有意に増加した。一方、事故報告数の変化率は17.6%であった。ヒヤリハット報告の書式を簡易化した。19年8月~21年7月までの月間訪問件数平均2436件で、月平均のヒヤリハット報告数8.93件、事故報告数4.89件であったのに対し、24年1月~24年7月までの月間訪問件数平均1863.7件で、ヒヤリハット報告数10.2件、事故報告数4.5件であり、ヒヤリハット報告数は増加傾向、事故報告数は減少傾向にあった。また、平成19年8月から平成21年7月3年間のヒヤリハット報告総数83件、事故報告総数59件、総訪問件数58465件と事故発生率は0.1%であったのにたいし、平成21年8月から平成24年7月はヒヤリハット報告総数331件、事故報告総数173件、総訪問件数66295件と事故発生率は0.26%となった。ヒヤリハット報告数は上昇したものの事故発生率も、上昇した結果となった。【考察】平成19年からリスク管理委員会を設置し、各職員間のリスクコミュニケーションの改善やリスク管理意識を高めるために定期的に会議を行い、分析・啓蒙活動を行ってきた。事故を未然に防ぐには、ヒヤリハット報告から予防処置を行うことが重要であるが、ヒヤリハット報告件数が非常に少ないのが前回の報告で明らかになった。そこで、ヒヤリハット強化月間を設け、スタッフのリスク管理意識を高める機会を作った。強化前月に比べ、強化月のヒヤリハット報告は増え、事故数は減るという傾向にあったが、その翌月にはヒヤリハット報告数は再度減少する傾向にあった。強化月間を儲ける取り組みは、一定の効果はあるものの持続的な効果は少ない。報告書式の記入項目が細かすぎる点も見受けられたため、24年1月に報告書式の改善、簡略化を行った。簡略化前に比べ、報告件数の月平均は、増加傾向にあった。一方、平成19年8月から平成21年7月3年間の事故発生率は0.1%であったのに対し、平成21年8月から平成24年7月3年間の事故発生率は0.26%と増加してしまった。そこで、リハビリテーションを提供する際に起きた事故に関しては、事故の程度を国立大学病院医療安全管理協議会の患者悪影響度のレベル分類にわけ、事故の程度を調査すると、平成19年8月から平成21年7月のインシデントレベル3aが3件、2が13件、平成21年8月から平成24年7月はインシデントレベル3aが14件、2が34件であった。これは、各スタッフがヒヤリハット報告の意識が高まったことにより、軽微な事故であっても適切に報告が上がるようになったとも考えられる。在宅におけるリスクマネジメントを適正におこなっていくためには、組織として取り組むことが重要であり、今後もリスク管理委員会の活動を活発に行う必要性が確認された。【理学療法学研究としての意義】地域リハビリテーションを進める上で事故を未然に防ぐため、組織的にリスク管理を行うことで、全ての訪問スタッフが一貫したリスクマネジメントを確立できる。
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© 2013 日本理学療法士協会
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