抄録
近年食品関連産業は構造的課題と流通再編に伴い、多くの地域小規模食品加工業者は経営依存度の高い販路が断たれ、経営難に直面しているとされる。打開策として矢野・閔・中村(2021)にて、地域アイコン商品を開発し、地域適正技術化クラスター組織の編成により規模の拡大を行い、食品小売業者惣菜部への商品提供が有効な施策であると示された[1]。しかし、著者の知見と経験知から創出された成功事例であり、施策の着想に至る論理的プロセスが非提示のため、食品関連事業に精通した人材が不足する多くの地域では、再現性に欠ける課題が残されている。そこで、実務的視点から課題解決の実行手段として組織間関係の連関モデルの提案を行い、応用可能性を試みる。