抄録
本稿では、中部圏 9 県を対象に、季節バランスの季節乖離度についての時系列分析を、日本人及び外国人宿泊者別に、主に 2011 年~2021 年の状況を対象に行ったものである。結果としては、(一部時期を除き)各県とも日本人の季節乖離度は外国人の季節乖離度より小さいものの、改善傾向は外国人の場合のほうが顕著であったこと、宿泊者数の大小が必ずしも当該数値に影響を与えるものでもないこと、宿泊者数増加と季節乖離度の改善は、一定の条件の下ではあるが、双方ともある程度は同時に達成することが可能なこと等が判明し、季節各乖離度から判明した県の相違点・特徴を踏まえた各県ごとの効率的な政策の重要性が認識された。