抄録
様々な社会課題が複雑に山積する今日において、限られた行政資源の中で効果的に課題解決を行うためには、部局横断的な連携体制及び客観的で科学的な根拠に基づいたエビデンス・ベースド・ポリシー・メイキング(EBPM)の実践が重要である。一方で専門分業に慣れ親しんだ自治体では部局を横断することのハードルが高く、その結果として未だ多くの自治体において EBPM が適切に運用されていない。筆者らは石川県羽咋市と連携し、各部局が保有するデータの横断的連結モデルを開発した。また健康分野のデータ解析例を通じて、行政データ連結の有効性について議論する。本研究の成果は横断的デー タ連結を構想する自治体のモデルケースとなるであろう。