抄録
再生可能エネルギー(以下、再エネ)の大量導入に伴い、再エネの出力抑制や出力変動に対応する調整力[1]の必要性が高まりつつある。地域活性化において、再エネを活用したエネルギーの代替だけでなく、調整力を活用した域際収支の改善を図る必要がある。地域新電力が再エネと調整力を運用する脱炭素化シナリオを用意し、地域経済循環分析に必要となる卸電力市場、非化石価値取引市場、容量市場、需給調整市場、インバランス精算等を考慮した域際収支を定量化した。計測した需要及び発電データを活用し、4シナリオを基に域際収支を比較することで、再エネと調整力の運用により域際収支の改善に寄与できる可能性を見出した。