日本口蓋裂学会雑誌
Online ISSN : 2186-5701
Print ISSN : 0386-5185
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原著
前橋赤十字病院口唇口蓋裂センターの現況
―群馬県内における治療連携への発展―
村松 英之林 稔徳中 亮平梅澤 和也加藤 清司内山 壽夫五味 暁憲二宮 洋松井 敦大竹 弘哲田村 教江柴崎 広美狩野 佳子平井 佳子田坂 陽子小原 陽子高坂 陽子長岡 恵美子須賀 一夫長島 明浜島 昭人荒木 夏枝木下 樹根岸 明秀佐藤(山本) 友紀土佐 泰祥横尾 聡槇 宏太郎吉本 信也
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2015 年 40 巻 1 号 p. 41-48

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抄録
唇顎口蓋裂患者の治療には,出生後,あるいは出生前から成人に至るまで長期間に渡り各診療科の専門性を生かしたチームアプローチが不可欠であることはいうまでもない。前橋赤十字病院でも2009年より口唇口蓋裂センターを開設し各科の特色を活かした系統的な診療を開始している。定期的なセンター会議,院内治療マニュアルの作成,クリニカルパスの導入などで,院内各科における意識の統一と連携の強化を行い,さらにホームページの開設,年1回の親の会を開催する事で患者,家族へもわかりやすい治療の提供が可能となってきた。さらにその活動は院内の枠を超えて,群馬県内の口唇口蓋裂治療連携の強化へと進んでいる。現在は群馬県立小児医療センター,群馬大学歯科口腔外科との連携も強化され,術前顎矯正や顎裂部骨移植をはじめとする様々な治療において連携が行われてきている。最大の問題点は矯正治療を担当する各地域に散在する複数の開業矯正歯科医との連携であった。我々手術担当医との間での治療方針が一定せず,疑問点,問題点が存在してもお互いに話し合う機会はなかった。そのため,顎裂部骨移植をはじめとする顎矯正手術の成績も一定しなかった。県内の口唇口蓋裂治療方針の統一を目指して,形成外科と歯科共通の連携パスの導入と定期的なカンファレンスの開催を行い,また非常勤ではあるが口唇口蓋裂専門の矯正歯科医を院内に配置し,開業矯正歯科医と手術担当医師とのパイプ役,また指導役として機能してもらうことでこれまでの問題点は改善してきている。今後も更なる県内での施設間,そして医療者間の連携を深める事で口唇口蓋裂治療内容のレベルアップを図る事が出来ると考える。
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© 2015 一般社団法人 日本口蓋裂学会
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