日本口蓋裂学会雑誌
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22q11.2欠失症候群に関する検討
臨床症状,合併症,言語機能を中心として
北野 市子朴 修三加藤 光剛
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2004 年 29 巻 1 号 p. 1-7

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抄録
22q11.2欠失症候群児73例の臨床症状,合併症,知的発達および言語症状について検討し,次のような結果となった.
1.臨床症状としては特異顔貌が99%に認められ,その他,低身長,口角下制筋麻痺などが観察された.
2.合併症では心疾患が73%と高率に認められ,その内ファロー四徴症が半数以上を占めていた.その他,低カルシウム血症,副甲状腺機能低下,耳介の軽微変形,指趾の異常,頸・脊椎骨の異常など全身にわたる合併症が観察された.
3.IQまたはDQについては65%が指数60以下であった.
4.言語症状では鼻咽腔閉鎖機能(VP)不全はなく構音障害を呈する者は11例で,そのうちの4例には声門破裂音がみられた.VP不全を示した42例中,29例に手術を行った.その結果,咽頭弁形成術の有効性が示唆された.鼻咽腔閉鎖機能が改善しても会話で正常構音に至るには長期間を要した.
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© 一般社団法人 日本口蓋裂学会
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