日本口蓋裂学会雑誌
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愛知学院大学歯学部口腔外科学第一講座における唇顎口蓋裂患者の臨床統計的観察
神原 春絵阿部 厚中野 雅哉前多 雅仁清水 幹雄黒岩 裕一朗吉田 憲司栗田 賢一
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2005 年 30 巻 3 号 p. 248-253

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抄録
1983年4月から2003年3月までの20年間に当科を受診した口唇口蓋裂患者について臨床統計的観察を行い以下の結果を得た.
1.総患者数は571名であった(男性298名,女性273名).
2.受診経路は産婦人科からの紹介が179名(36.8%)と最も多く,次いで小児科の175名(36.0%)であり,紹介のほとんどを産婦人科と小児科が占めていた.
3.患者の居住地は愛知県内が375名(65.6%)と大部分を占め,次いで岐阜県88名(15.4%),三重県63名(11.1%)の順であった.その他遠隔地居住の患者は23名(4.1%)にみられた.
4.症例別分類では,唇顎口蓋裂が240名(42.0%)と最も多く,次いで口蓋裂が116名(20.3%),唇顎裂が102名(17.9%),粘膜下口蓋裂が66名(11.6%)の順であった.
5.男女比は,唇顎口蓋裂,粘膜下口蓋裂では男性が多く,口蓋裂患者では女性が多い傾向が認められた.また唇顎裂には男女差がなかった.
6.口唇裂の破裂側は,片側性242名(70.8%),両側性97名(28.4%)で,左右比は1.3:1で左側に多く認められた.
7.他の先天異常を合併した患者は571名中73例(12.8%)に認められた.
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© 一般社団法人 日本口蓋裂学会
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